二関節筋とは?二関節筋の一覧と解説付き!

二関節筋とはどのような筋肉なのか、概要から働きまでを説明していきます。さらに、二関節筋の一覧と共に具体的な筋肉名を確認しながら、二関節筋についての知識を深めましょう。

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二関節筋とはどのような筋肉なのか知っていますか?

骨格筋を知る上でも、そして、人体の構造を理解して筋トレでの効果を高めたり、スポーツにおける動作を深く理解するためにも、二関節筋と言われる筋肉についての知識を深めていきましょう。

二関節筋の概要から、その構造や仕組み、そして具体例を挙げながら二関節筋の機能を見ていき、最後に二関節筋に含まれる骨格筋の一覧を簡単な解説と共に紹介します。

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二関節筋とは?

二関節筋とは、1つではなく2つの関節にまたがってつながっている筋肉のこと。

例えば、股関節と膝関節の両方に、またがるようにしてつながっている、太もも裏のハムストリングなどは比較的有名な二関節筋。

大多数の筋肉は、一つの関節のみに作用するのに対して、この二関節筋は、またいでいる二つの関節両方に作用するという特徴を持っています。

しかし同時に、二関節筋の機能は複雑で、またいでいる二つの関節につながっている他の筋肉の動きや、一方の関節の動きがもう一方の関節をまたぐ筋肉の端へ影響を与えたりと、人体の様々な動きの中で、二関節筋が正確にどのように関わっているかについては、まだまだ完全に解明出来ていなかったりもします。

二関節筋の仕組みと構造

二つの関節をまたぐようにして骨格に付着している二関節筋は、その起始(注1)と停止(注2)がそれぞれ別々の関節をまたぐようにして存在しています。

(上は腓腹筋。起始部が膝関節を停止部が足関節をまたいでいる)

しかし、ここで大切なポイントが、二つの関節をまたいでいるからといて、二関節筋によっては、それぞれの関節に関与する「程度」が異なるということ。

これは、該当する関節に対しての起始と停止の位置が、その二関節筋の機能を決定づけるのに大きな役割を持っているから。

例えば、起始が膝関節をまたぎ、停止が足関節をまたぐ、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋は、足関節をまたぐ停止部と比較して、起始部が膝関節の回転軸にとても近いため、腓腹筋が発する張力は、足首を伸ばしてつま先を下方に振る足関節の底屈に優先的に関与することになる。

ただし、他の二関節筋については、そこまでの明確な差異はないものも多く、すぐに分かるようなものではなかったりします。

  • ※注1
    • 起始=近位の付着部
    • 骨につながる骨格筋の端のうち体の中心に近い、あるいは、その筋肉が収縮した場合に、より小さく動く骨の側にあるもの。
  • ※注2
    • 停止=遠位の付着部
    • 骨につながる骨格筋の端のうち、起始とは反対側にあるもの。

二関節筋肉の機能と働きを具体例を挙げながら確認

二関節筋は、動きの中で複雑で多様な機能を果たします。その働きを具体例を挙げながら見ていきましょう。

一方では収縮して一方では伸張する二関節筋

例えば、力こぶの筋肉で肘関節と肩関節をまたいでいる上腕二頭筋を例に挙げてみます。

上腕二頭筋は、肘を曲げる「肘関節の屈曲」と、脇に下ろした腕をまっすぐ前方に上げる「肩関節の屈曲」において、長さが短くなりながら収縮することになります。

ここで、筋トレのシーテッドローイングを例に挙げてみたいのですが、シーテッドローイングでは、肘関節の屈曲と同時に、肩関節の伸展(肩関節の屈曲とは逆)の動作が起こる。

(シーテッドローでは、肘は曲がりながらも、腕は後方へ移動するため肩関節は伸展する)

この際、上腕二頭筋は次のようになるってこと。

  • 肘関節をまたぐ上腕二頭筋の停止部
    • →肘関節は屈曲するので「収縮」する
  • 肩関節をまたぐ上腕二頭筋の起始部
    • →肩関節は伸展するので「伸張」する

つまりこの際、上腕二頭筋は一方で収縮しながらも、一方では伸張して骨格動作を支えるといった働きをしており、シーテッドローイングでは上腕二頭筋の収縮はあまり感じられず、上腕二頭筋の長さもほとんど変わらないといったことが起きます。

逆に両方とも収縮することもある

逆に、同じ上腕二頭筋の例とすると、上腕二頭筋を鍛えるバイセップカールの動作を行う際に、通常は肩関節を固定するところを、ダンベルを上げて行く際に肩関節も上方向に動かしながら屈曲させていくと、上腕二頭筋がさらに収縮していくのを感じるはずです。

バイセップカールを行う際に、肩を上方向に動かして肘を下の画像の様に上げていく。

すると、上腕二頭筋がさらに収縮するのが分かる。

これは、起始部と停止部の両端がまたぐ肘関節と肩関節の動きが、どちらとも上腕二頭筋を収縮するように動いた結果であり、この場合、二関節筋である上腕二頭筋は、最大限に収縮していくことになります。

ただ、バイセップカールを行う際には、肩関節は動かさないようにするのが正しいフォーム。

これは、肩関節の屈曲には、他にも力強い三角筋前部や大胸筋上部などが関与してしまい、結果的に、上腕二頭筋の関与が減ってしまうためです。

力を「流す」・「再分配」する働きも持つ

さらに、実は二関節筋の重要な働きとして、

自ら収縮して力を発揮するだけでなく、より大きな筋肉で発揮された力を伝える(参照:骨・関節・筋肉の構造と動作のしくみ, p.41)

といった、言い方を変えれば、力を他の部位へ流したり、再分配するといった働きも持っています。

例えば、ふくらはぎの二関節筋である腓腹筋は、その構成される筋繊維のうち、瞬発力を司る速筋の割合が高いため、跳躍をしたりダッシュをする際に、足首を底屈させて爆発的な力を発揮するための主力筋となって働きます。

しかしこの際、足首を動かす力のうち、およそ25%は、膝を伸ばす動作の主力筋である大腿四頭筋から生まれたものであったりします。

これは、大腿四頭筋が収縮して膝を伸ばす際に生まれた力が、二関節筋である腓腹筋を通して足関節に伝わり、結果的によりダイナミックな力の発揮につながったのが理由です。

ちなみに、垂直跳びにより足関節の底屈動作に関与する力の内訳は、

  • 腓腹筋を含めた下腿三頭筋によるもの
    • 35%
  • アキレス腱によるもの
    • 40%
  • 大腿四頭筋から生まれて膝関節を移動してきたもの
    • 25%

(参照:骨・関節・筋肉の構造と動作のしくみ, p.205)

となるとされています。

そしてこのようなことを含め、下半身の二関節は、特に短距離走などの下半身の瞬発力が求められるスポーツにおいては、とても大切な筋肉であると言えることになるのです。

(こぼれ話)単関節筋と多関節筋

ほとんどは単関節筋、なかには多関節筋なんていうものも!

ちなみに、「二関節筋があるならそれ以外の筋肉はなんと言うんだろう?」と、疑問に思うこともあるかもしれないので、ちょっとここで紹介。

まず、骨格筋のほとんどは1つの関節のみをまたいでいることになりますが、その名称はズバリ「単関節筋」。

骨格筋と言えば、大抵は単関節筋に含まれることになります。

そして、2つの関節では物足りなく、3つ以上の関節をまたいでいる筋肉は「多関節筋」と呼ばれています。

例えば、前腕に位置して手関節と指関節の動きに関与する深指屈筋なんかは、手関節、手根中央関節、CM関節、PIP関節、DIP関節など、手と指の複数の関節をまたいでいるので、多関節筋に含まれることになります。

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【二関節筋一覧】二関節筋にはどのようなものがあるの?

さて、二関節筋とはどんな筋肉なのか、大体理解出来たかと思いますが、最後に二関節筋に含まれる骨格筋の一覧を、それぞれの簡単な解説と共に紹介しておきます。

興味があれば確認してみてください。

上肢(腕)にある二関節筋

上腕二頭筋(力こぶの筋肉は二関節筋!)

上腕二頭筋と言えば、言わずと知れた力こぶの筋肉。肘関節を曲げる「肘関節屈曲」の主力筋としても有名。

上腕二頭筋は、肘関節と肩関節をまたいでいる二関節筋で、起始部は肩関節をまたいで肩甲骨に、停止部は肘関節をまたいで橈骨につながっています。

  • 肘関節屈曲の主力筋
  • 起始部
    • 肩関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 肘関節をまたいでいる

上腕三頭筋(長頭のみ二つの関節をまたぐ)

上腕二頭筋の逆側に位置している上腕三頭筋も同じように、肘関節と肩関節をまたぐ二関節筋。

肘関節を伸ばす肘関節伸展の主力筋です。

ただし、上腕三頭筋の場合、3つに分岐している起始のうち、長頭と言われる内側の部分だけが二つの関節をまたいでいるのが特徴。

  • 肘関節伸展の主力筋で長頭のみが二つの関節をまたぐ
  • 起始部
    • 肩関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 肘関節をまたいでいる

下肢(脚)にある二関節筋

大腿二頭筋ハムストリングの筋肉一つ。長頭のみ二つの関節をまたぐ)

大腿二頭筋は、太もも裏に位置する複数の筋肉からなる複合筋のハムストリングを構成する筋肉の一つで、脚を付け根から前に振り出す股関節の伸展と、膝を曲げる膝関節の屈曲に関与する筋肉。

その起始部は長頭と短頭の二つに分かれており、そのうち長頭のみが、股関節もまたいでいるのが特徴。

  • 膝関節屈曲と股関節伸展に関与し、長頭のみが二つの関節をまたぐ
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

半膜様筋(ハムストリングの筋肉の一つ)

半膜様筋もハムストリングを構成する筋肉一つで、股関節と膝関節をまたぐようにしてつながっています。

膝関節屈曲と、股関節伸展に関与しており、その中でもどちらかというと膝関節屈曲への貢献度が比較的高いのが特徴。

  • 膝関節屈曲と股関節伸展に関与する
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

半腱様筋(ハムストリングの筋肉の一つ)

膝関節の屈曲と股関節の伸展に関与する、もう一つのハムストリングを構成している筋肉。

腱と筋繊維が長いのが特徴。

  • 膝関節屈曲と股関節伸展に関与する
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

大腿直筋大腿四頭筋の筋肉一つ)

大腿直筋は、太もも前面に位置している大腿四頭筋を構成する筋肉の一つで、大腿四頭筋の中では唯一の二関節筋。

起始部は股関節を、停止部は膝関節をまたいでいます。

膝を伸ばす膝関節伸展と、脚を付け根から前に振り出す股関節の屈曲に関与しながら、速筋繊維の割合が高いため、特に瞬発的な動きに対する貢献度が大きいのが特徴。

  • 膝関節伸展と股関節屈曲に関与する
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

腓腹筋(ふくらはぎの筋肉の一つ)

腓腹筋はふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋を構成する筋肉の一つで、膝関節と足関節をまたぐ二関節筋。

主に足関節の底屈と膝関節の屈曲の二つに関与し、その中でも足関節の底屈に関しての関与が強く、速筋繊維の割合が半分以上あるため、主に瞬発的な力が必要な際に大きく関与するのが特徴。

  • 足関節の底屈と膝関節屈曲に関与する
  • 起始部
    • 膝関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 足関節をまたいでいる

大腿筋膜張筋(外ももの筋肉)

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)は、太もも側面に位置して、股関節と膝関節をまたいでいる二関節筋。

ただし、膝関節の動きにはそこまで関与しないのが特徴。

股関節の外転(脚を付け根から外側に開いていく)、股関節の屈曲、股関節の内旋(太ももを回転軸にして、脚を付け根から内向きにひねる)の3つの動作に主に関与しています。

  • 股関節の外転と屈曲・内旋に関与する
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

薄筋(内ももの筋肉)

薄筋は、内ももに位置する内転筋群に含まれる筋肉の一つで、膝関節と股関節をまたいでいる、内転筋としては唯一の二関節筋。

股関節の内転(開いた脚を内側に閉じる)や股関節の屈曲、膝関節の屈曲と下腿の内旋に関与しています。

  • 股関節の内転と屈曲・膝関節の屈曲・下腿の内旋に関与する
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

縫工筋(人体で最も長い筋肉)

縫工筋は、太ももの表面に位置して、骨盤の外側から膝の内側へと、斜め方向に縦に走行している筋肉で、股関節と膝関節をまたぐ二関節筋。

股関節の屈曲、股関節の外旋(太ももを回転軸にして脚を付け根から外向きに捻る)、股関節の外転、そして膝の屈曲や下腿の内旋に関与しています。

また、人体で最も長い筋肉であるといった特徴を持っています。

  • 股関節の屈曲・外旋・外転、膝関節の屈曲とわずかな膝の内旋に関与する
  • 起始部
    • 股関節をまたいでいる
  • 停止部
    • 膝関節をまたいでいる

タイトルが好き。

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ぴろっきーでした!

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