認知症予防に運動や筋トレが対策になる?トレーニングと認知機能の関係

認知症予防に運動や筋トレが効果的かもしれません。トレーニングが認知症対策の方法として有効かもしれない理由や、具体的な運動方法などについて見ていきます。

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認知症予防に運動や筋トレが、一つの対策方法になるみたいです。

当サイトに定期的に寄稿していただいている、地域のフィットネスセンターでご活躍中のErikoさんから、認知症予防と運動に関しての記事を寄稿頂いたのでご紹介します。

(以下寄稿文)


認知症が気になり始めるのは、50歳代くらいからでしょうか。

親や親戚の高齢者など、身近な人が認知症になったりすると、とても関心が高くなりますね。

2015年の厚生労働省の推計によると、65歳以上の約7人に1人が認知症であるとされています。

ちょっと恐ろしいような数字です。しかし近年、認知症予防の対策として、筋トレや有酸素運動などのトレーニングが効果的だと認識されるようになってきました。

認知症予防とトレーニングについて、掘り下げてみたいと思います。

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認知症予防に筋トレなどの運動が良い理由とは?

脳の血行を促進して認知症予防へつなげる

運動をすれば全身の血行が良くなります。これはみなさん当たり前に知っていること、感じていることですよね?

この時、当然、脳への血流も促進されます。

運動の中でも、比較的長い間体を動かすことになる有酸素運動では特に、体内に取り込まれた新鮮な酸素が血流にのって脳へ運ばれます。

そして、脳への血流が豊富になると、脳の神経細胞であるニューロンが新しく作られると同時に、ニューロン同士を結び付けて脳内の情報伝達をする役割のシナプスが活発に働くようになり、そのことが脳機能の活性化や維持につながり、認知症を防ぐとされています。

また脳内の血流増加により、新しい毛細血管も増ていきます。

このことも、記憶力を司る大切な海馬(長期で記憶を覚えているかどうかは海馬が大きく影響していると言われている)の毛細血管が細くなってしまい、上手く機能しなくなることを防ぎ、認知症を予防することにつながっていきます。

生活習慣病の改善が図れるからこそ認知症予防にも有効

糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、脳にもダメージを与え続けます。知らず知らずのうちに脳の血管にも無理が来ています。

認知症と良く聞きますが、認知症は「病名ではない」とされ、「様々な原因疾患により認知機能が低下し、生活に支障が約6カ月以上継続している状態のこと」を言います(参照:厚生労働省

その認知症の主な原因疾患として、

  1. アルツハイマー型認知症
  2. 血管性認知症
  3. レビー小体型認知症
  4. 前頭側頭型認知症

があります。

この中でも、血管性認知症はアルツハイマーに次いで、2番目に多く発生する認知症で、生活習慣病が大きく関わっているのです(参照:認知症ねっと

つまり、筋トレや有酸素運動など、日頃の運動を継続していくことで生活習慣病を改善出来れば、認知症のリスクの一つを減らせることになり、認知症対策としても有効であると言えることになるんです。

運動で脳内のBDNFが増えて認知症予防にも期待出来る!?

筋トレなどの運動をすると、脳内にセロトニンやドーパミンといった物質が増えることは広く知られてきました。

セロトニンは睡眠の質と精神の安定に深く関わっています。ドーパミンはやる気を起こしたり、幸せを感じたりする神経伝達物質ですね。

今回新たに登場するBDNFは「脳由来神経栄養因子(のうゆらいしんけいえいよういんし)」と言われるもの。

BDNFは神経細胞に栄養を与えるタンパク質であり、脳の神経細胞(ニューロン)や、脳に栄養を送る血管を増やす働きを持ち、運動を行うと盛んに分泌されることが最近の研究で分かり始めています。

そして、脳内のBDNFが増えると、アルツハイマー型認知症を予防できるかもしれないという可能性が浮上してきています。

つまり、運動によってBDNFの分泌を増やせれば、アルツハイマー型認知症の予防にもつながるのではないかと言えるのです。

(参照:医療ニュース, PRESIDENT Online九州大学

認知症予防におすすめな運動とは?

運動が認知症予防に役立つことが、わかってきました。

この点については、ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士も、「脳を鍛えるには運動しかない!」という本を出版しており、脳にとっての運動さを唱えています。

このことからしても、運動は認知症予防も含めた脳機能の改善・維持には大切そうです。

そこで、認知症予防に効果的だと思われる、筋トレも含めたトレーニング方法を4つ紹介していきたいと思います。

認知症予防の運動① レッグリフトでトレーニング

大腿四頭筋は人体の中でも最も大きな筋肉群で、この部分を動かすことは効率のいい筋トレ・脳トレになり、全身への血流も効果的に促すことが可能になってきます。

自分の体重だけでは物足りない人は、足首に重りを付けるなどして負荷を高めると、より効果が高まります。

  1. 椅子の前方に浅く腰かけます
  2. 右足を浮かせて、出来るだけゆっくりと膝を伸ばしていきます
    1. この時、大腿四頭筋を動かしていることを意識しながら行ってください
    2. お腹に力を入れ、自然に呼吸をしましょう
  3. ゆっくりと元に戻し、足を床に付けます
  4. 右脚だけを10回行って、1セットとして、3セット行います
  5. 左脚を同様に3セット行います

トレーニング中は、どこの筋肉を動かしているのかを意識することを忘れないようにしましょう。

意識することで、脳からの筋肉までの神経伝達がスムーズになり、その効果も高まってきます。

認知症予防の運動② 相撲スクワットでトレーニング

相撲スクワットは、最も優れた下半身の筋トレとして有名なスクワットの一種です。

レッグリフトで鍛える大腿四頭筋もそうであるように、下半身には人体の中でも大きな筋肉が集中しており、その部分を鍛えることによって、体全体への血流を活性化させ、認知症の予防を図っていくのにおすすめです。

また、両足を広くとるこの相撲スクワットでは、バランスを取りやすいといった利点があるため、特に認知症に気をつけていきたい高齢者の方にも取り組みやすいといった特徴があります。

  1. 両手を胸の前に持ってきてバランスを取り、両足を肩幅の2倍程度に開きます
    1. 膝とつま先は自然と外側に向けておきましょう
  2. その姿勢からお尻をゆっくり10cm程度20回上下させます
    1. もしも無理でなければ、さらに腰を深く下ろしていっても問題ありません。その場合は、太ももが床と平行になる程度を目安にしてみましょう
    2. お尻の筋肉に意識を集中させてください
  3. もしも転倒が心配な人は、椅子を利用してください

認知症予防の運動③ コグニサイズでトレーニング

コグニサイズとは、「認知(コグニション)」と「エクササイズ」とが合わさった造語で、国立長寿医療研究センターが開発した、体を動かしながら脳を鍛えることができるエクササイズです。

画像をクリックすると拡大出来ます/画像提供:国立長寿医療研究センター

認知症予防と言いながら、体と脳を同時に鍛えることで、脳からの指令の伝達が早くなるため、他にもスポーツのパフォーマンスも向上出来るとまで考えられているトレーニング方法になります。

  1. 両足を揃えて立ちます
  2. 1と数えながら右足を横に大きく踏み出す
  3. 2と数えながら右足を元に戻す
  4. 3では数えずに手を叩き、左足を横に踏み出し
  5. 4では左足を元に戻す
  6. 5では右足を横に大きく踏み出す
  7. 6では数えずに手を叩き、右足を元に戻す・・・

といった形で、

  1. 同じステップを繰り返す
  2. ステップごとに数を数えるが、3の倍数では手を叩く

の2つのポイントを抑えて行っていきます

また、慣れてきたら、

  • ステップを大きくする
  • 左足からステップを始める
  • マルチステップ(右足前、左足前、右足横、左足横を繰り返すステップ)をする
  • 7の倍数にする

など、色々と変化させてみるのも良しとされています。

認知症予防の運動④ フリフリ・グーパー体操でトレーニング

このフリフリ・グーパー体操は、腰回りのストレッチや、正しい姿勢を維持するために大切な腹筋や背筋、そしてお尻の筋トレとしての効果もあるとされる運動です。

この運動はまた「脳のフィットネス」とも呼ばれていて、認知機能を高めたりする効果もあると考えられており、脳全体の活性化に有効な運動です。

  1. 肩幅に両足を開いて立ちます
    1. 両足は内股のハの字にしましょう
  2. つま先は床に付けたまま、かかとを足踏みするように左右交互に上下させます
  3. その動きに合わせて胴体(腰)を左右に振ります
    1. 腰はひねらずに左右に大きく動かしてください
  4. カカトと腰の動きに合わせて両腕を横に開いて「グー」、前に合わせて「パー」にします
  5. 好きな音楽に合わせて、リズミカルにこの動きを繰り返していきます

この運動で体を動かすことで、わくわく感も出て、気持ちを前向きにすることだって出来るようになります。

他にも認知症予防に覚えておきたいこと

認知症になりたくてなっている人などまずいないはずです。

認知症予防のために運動を行っていくのは効果があるとされる一方、他にも知っておくと良さそうなことがいくつかあります。

そこで、認知症予防や早期発見をして進行を遅らせるためにも、知っておいたら良さそうなことを簡単に最後に紹介しておきます。

口腔の衛生と認知症対策

「口の中を綺麗にすることで認知症が減るかも知れない」京都府立医科大学が、こんなことを発表しました。

京都府立医大のチームによると、虫歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌が、認知機能の低下を引き起こす可能性があると報告されています。

その報告によると、ミュータンス菌の保有者は、非保有者に対して、脳の深部で微小な出血が起こるリスクが14.3倍も高いとされ、その脳内の微小出血が、「自覚症状無く少しずつ認知機能低下を起こしている可能性」があると結論づけています(参照:京都府立医科大学

その他にも、重度の歯周病を持った糖尿病患者に歯周病の治療を行ったところ、血糖値が下がったという報告もあります。

言うまでもなく糖尿病も、毛細血管に悪さをし、認知症を発症する引き金になる病気です。

このようなことを見る限りでは、口の中を清潔に保っておくことは、認知症対策としても大切だということが分かってきます。

丁寧に正しい歯磨きを実践したいものですね。

(参照:糖尿病ネットワーク & 京都府立医科大学

認知症に気づくための12のチェック項目

認知症に気づくための12のチェック項目を上げておきます。

オランダで作られた、初期認知症徴候観察リスト(OLD)と呼ばれるもので、認知症の徴候に早期に気づき、適切に対応することで進行を遅らせるなどの対策を取ることが出来るようになります。

この中の4つ以上当てはまる時は認知症を疑い、早めに医療機関を受診することで、早期発見に繋がるかもしれません。

記憶・忘れっぽさに関すること

  • 1)今日が何月何日か何曜日かが分からない
  • 2)朝食を食べたか等、少し前のことを忘れている
  • 3)昨日伝えたことなど、最近聞いた話を思い出せない

語彙・会話内容の繰り返し

  • 4)1日のうちでも同じ話や同じ質問を繰り返しする
  • 5)いつも同じ話(特に昔の話)を、以前話したことに気づかずに繰り返す

会話の組み立て能力と文章理解に関すること

  • 6)仕事上で使い慣れた言葉が思い出せない、特定の単語や言葉がしばしば出てこない
  • 7)話が飛んだり、関係のない話を次から次にして、話の脈絡が取れない
  • 8)質問に対する答えが的外れで、質問を理解していない
  • 9)内容が全く分からない話をし、会話のキャッチボールが出来ない

見当識障害、作話・依存などに関すること

  • 10)今が午前中か午後かもわからず、時間の概念がない
  • 11)答えの間違いを指摘されると、言い訳をしてつじつま合わせをしようとする
  • 12)何かを尋ねられると自分では答えられないので、ほかの同席者の顔を見るなど、他の人に依存する

(参照:千葉県医師会


(寄稿文ここまで)

認トレなんていうのもあるみたい

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認知症予防に運動や筋トレが対策になる?トレーニングと認知機能の関係のまとめ

認知症予防に筋トレや有酸素運動などのトレーニングが効果的だという話を見てきました。

普段から運動に取り組んで置くことは、身体の健康にはもちろん、脳の健康にも大切なんですね。

運動をして、体はもちろんのこと認知症対策も行っていけると良さそうです!

ぴろっきーでした!

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