効果的なラットプルダウンはフロントで!バックでない理由とは?回旋筋腱板の安全や筋肉強化が理由!?

ラットプルダウンを効果的に行うならフロントで行うべき。その理由について、バックネックとフロントのラットプルダウンの比較をしながら確認していきます。

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ラットプルダウンを効果的にやろうとした場合、フロントとバックどちらで行っていますか?

実は、解剖学的に見ていくと、ラットプルダウンはフロントで行った方が、効果の面でも、そして安全面でも優れているとされているんです。

実際、ジムなどに通って筋トレをしている場合、専門のトレーナーからフロントネックで行うように指導を受けた人も多いかと思います。

しかし、フロントの方が良いというのは耳にしたことがあっても、もっと具体的に、なぜフロントネックラットプルダウンの方が、バックネック(ビハインドネック)ラットプルダウンよりも優れているのか知りたい人も多いはず。

そこで、ラットプルダウンをフロントとバックでやった場合のやり方の比較をして、なぜフロントの方がおすすめなのかの理由を確認していきます。

まずは、その理解を深めていくためにも、ラットプルダウンの基本的な概要のおさらいから始めていきましょう。

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ラットプルダウンとは?

ラットプルダウンは背筋の中でも、背中の大きな筋肉として有名な広背筋をメインに鍛えるために広く一般的に取り入れられている筋トレ種目。

基本的には専用のラットプルマシンのシートに座り、パッドで下半身を固定した状態で、マシンの負荷が掛かったバーを引き下ろす動作を通して、ターゲットをする筋肉群を鍛えていくことになります。

ラットプルダウンでメインターゲットとされる広背筋

基本的なラットプルダウンは、肩幅より広めにとった両手で、バーを順手にして握って行います。

この状態でバーを引き下ろすと、肩関節の内転(※注1や肩関節の水平内転(注2の動作が生まれることになり、その二つの肩関節の動作に最も貢献度の高い広背筋をメインターゲットとして中心に、他にも大円筋や三角筋の後部繊維などが鍛えられていくことになります。

また、動作中に肩甲骨を寄せながらバーを最後まで引くことで、肩甲骨の内転動作(肩甲骨を内に寄せる/後ろに引く)に関与する僧帽筋もサブターゲットとして鍛えられることになります。

  • 注釈1(肩関節の内転)
    • 横に上げた腕を下方に下げる/肩から腕を内側に振る
  • 注釈2(肩関節の水平外転又は伸展)
    • 水平面で腕を前方から後方へ動かす/肩から腕を水平面で後方に振る
(豆知識)肩甲骨の内転を中心に変えたナローグリップラットプルダウン

ちなみに、ラットプルダウンのバリエーションとして、両手の幅を肩幅より狭い状態にして行うナローグリップラットプルダウン(クローズグリッププルダウン)があります。

このナローグリッププルダウンでは、肩関節ではなく、肩甲骨を寄せる「肩甲骨」の内転動作を中心に変えて行っていくため、僧帽筋の中部と下部繊維が広背筋と並んで主なメインターゲットとなっていきます。

フロントラットとバックのラットプルダウンのやり方(フォームの違い)

そして、手幅を肩幅より広めにとる、基本的なラットプルダウンの中にも、「フロントラットプルダウン」と「バックネック(ビハインドネック)ラットプルダウン」の二つがあったりします。

フロントネックラットプルダウンとは?

フロントラットプルダウン、又はフロントネックラットプルダウンは、首の前方へバーを下げていくラットプルダウン。

顔は斜め上に向け、バーを胸上部に向けて引き下ろしていくのが特徴。

また、背中を反らした状態でバーを引き下げるというのも、フロントラットプルダウンの見た目上の特徴になります。

バックネック(ビハインドネック)ラットプルダウンとは?

ビハインドネックラットプルダウン、又はバックネックラットプルダウンは、フロントとは逆に、首の後方へバーを下げていくラットプルダウン。

顔は斜め前方へ前傾し、バーは背中上部(僧帽筋上部)へ向けて引き下ろしていくようになるのが特徴。

また、背中もフロントラットプルダウンほどは、反らない状態で行っていくことになります。

ラットプルダウンはバックではなくてフロントでやるべきだというのはなぜか?

ラットプルダウンについて、筋トレの専門家や解剖学に詳しいトレーナーなどに尋ねると、多くの場合、ラットプルダウンを行う場合はフロントネックでバーを引いて、胸の上部まで持っていくようにするというのを推奨されます。

これは何故なのでしょうか?

その理由について、早速見ていきましょう。

フロントネックの方がメインターゲットの広背筋を活性化出来る

ラットプルダウンのバリエーションによって、メインターゲットとなる広背筋の活性度がどのように変わるかを調べた研究というのが、2002年にZinkとSzwedによって発表されています。

この研究では、

  • クローズグリップ
  • アンダーハンドグリップ
  • 肩幅より広い手幅でのフロントネック
  • 肩幅より広い手幅でのビハインドネック

の4つのグリップのラットプルダウンに関して、筋肉の活性化を確認するための筋電図(EMG)分析を用いて、それぞれに「どのような筋肉の活性度の違いがあるか」を調べるといったものでした。

その結果、肩幅より広めに手幅を取るフロントネックラットプルダウンが、メインターゲットである広背筋を最も活性化していることが確認されたという報告がなされています。

また、2009年に発表された別の研究では、ラットプルダウンのフロントネックとビハインドネックに関して、広背筋のEMGに大きな違いは認められなかったものの、肩関節の内転動作に関与する大胸筋(下部)については、フロントネックでの方がより大きな活性化を確認することが出来たと報告しています。

これらのことを見ると、フロントネックのラットプルダウンの方が、ビハインドネックのラットプルダウンに比べて、より広背筋を活性化する可能性が高く、広背筋の活性化の違いがほとんどなかったとしても、大胸筋の活性化もより大きいため、フロントネックの方が多少なりとも筋肉を刺激する効果が高いと言えることになります。

(参照:bodybuilding.com & ptonthenet

ビハインドネックは頚椎を過度に圧迫してしまう可能性がある

また、フロントネックラットプルダウンとバックネックラットプルダウンのやり方の違いでも触れた通り、ビハインドネックのラットプルダウンでは、顔が前傾してしまう傾向にあります。

これはバックネックで行うと多くの人の場合、頭を動かさないまま頭にぶつけないようにバーを真っ直ぐ引けるほど、肩や肩甲骨の柔軟性を持ち合わせていないため。

つまり、頭を前に突き出してバーを避けようとするのが理由。

特に柔軟性が低い場合、頭を過度に前に突き出してしまうことにもなり、それによって頚椎がひどく圧迫されてしまうことにもなりかねない。

また、頭を前へ突き出すという姿勢を繰り返していると、悪い運動パターンを体が覚えてしまい、その結果、肩や背中の問題を引き起こしやすくなる可能性もある。

このように、ビハインドネックは頚椎に関して見た場合も、悪影響を及ぼす可能性があり、あまりおすすめできないということになります。

肩の関節と回旋筋腱板(ローテーターカフ)に負荷が掛かる

そして、バックネックラットプルダウンが評価されない理由として最も良く挙げられるものに、肩関節や、その肩関節を安定させる4つの筋肉(深層にあるインナーマッスルの「棘上筋」・「小円筋」・「肩甲下筋」と表層に位置する「棘下筋」)の集まりである回旋筋腱板(ローテーターカフ)を痛めてしまうリスクが高いというものがあります。

ビハインドネックでラットプルダウンを行った場合、肩関節には水平内転外旋(上腕を回転軸にして、肩を外向きに回す動き)が加わることになる。

その状態になると、上腕骨頭(じょうわんこつとう)を安定させるためにも、より大きな負担がローテーターカフに掛かるようになります。

ローテーターカフは、薄い腱が上腕骨頭を覆うように停止し、可動性が大きい代わりに安定性が低く、とてもセンシティブでもあったりするため、ローテーターカフに過度な負荷がかかることは怪我につながりやすい

そしてローテーターカフが怪我をすれば、支えられている肩関節の動きにも影響が出てくることになり、もちろんラットプルダウンを続けていくことだって困難になってしまいます。

また、肘の角度をおよそ30度にして肩より前方に肘を位置させた状態でラットプルダウンを行った場合(フロントネックでしかできない)、肩関節前面の関節胞(関節を包むようにしてつなぐ結合組織)への負荷を減らして行えるといった効果もあるとされる。

このように、ローテーターカフや肩関節を守るためにも、ビハインドネックではなく、フロントネックでラットプルダウンを行うべきとされるのです。

(参照:bodybuilding.com & 運動に関わる筋肉のしくみ

ラットプルダウンのフロントとバックについて最後に抑えておきたいこと

ビハインドネックラットプルダウンについて、なぜ控えるべきかの最も一般的な理由として、怪我をしやすいという点を挙げました。

しかし、ビハインドネックでプルダウンすることによって必ずしもケガをしたり、全ての人に問題が生じたりするというわけではありません。

肩関節の柔軟性が高い人が、重すぎない程度のウェイトを使用して、しっかりと動きをコントロールしながら行えば、問題ない場合も十分にあり得ます。

しかし、フロントネックのラットプルダウンが人間の体にとって自然な運動パターンだとすれば、また、首や肩、頸椎を傷めることなく、より筋肉を鍛えるのに効果的だとすれば、あえてビハインドネックのラットプルダウンに取り組む理由はそれほどないかもしれません。

つまり、プルダウンを首の後ろでやらない理由はあっても、やる理由はほとんどないと言ってもいいかもしれません。

ラットプルダウンを行う場合、

  • 順手で肩幅より外側に両手を位置させ
  • 背中を少し後ろに反り
  • 首の前でバーを引いて胸の上部まで持ってくるようにする

といった、3つのポイントを抑えながら行うフロントネックラットプルダウンを、基本として取り組んでいくようにしましょう。

ラットプルダウン用みたい

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効果的なラットプルダウンはフロントで!バックでない理由とは?回旋筋腱板の安全や筋肉強化が理由!?のまとめ

フロントとバックで行うラットプルダウンの違いを確認して、なぜフロントの方が推奨されるのかを具体的に見てきました。

バックのラットプルダウンをする人の中には、僧帽筋を鍛えるのに効果が高いとして行っている人もいます。

しかし、僧帽筋を鍛えるなら、手の幅を狭くとって、首の前方へバーを下ろしていくナローグリップラットプルダウンの方が、効果的で圧倒的に安全です。

ラットプルダウンを行う場合は、フロントで行うことを基本として取り組んでいきましょう!

ぴろっきーでした!

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