成長ホルモンと筋トレ|十分な分泌による効果を筋肉トレーニングを中心にそれ以外も見ていく

成長ホルモンと筋トレの関係を中心に、成長ホルモンを十分に分泌させた場合に期待出来る効果を見ていきます。筋肉増強以外にもどのような効果があるのかも確認してみましょう!

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成長ホルモンは筋トレにとってとても大切。

このことは、筋トレを続けている人や、筋トレについて少し勉強したことのある人であれば、知っている基本的な知識の一つかと思います。

実際、筋トレで効果を高める方法として、成長ホルモンの分泌を促していけるようなトレーニングの、様々なテクニックが紹介されています。

そんな、筋トレにおいてとても大切な存在である成長ホルモンについて、なぜ、成長ホルモンが筋トレに大切なのかを中心に、筋肉増強以外のことまで含めた成長ホルモンの効果を見ていこうかと思います。

まずは、成長ホルモンについて、いまいち良く分からないという人もいるかと思うので、成長ホルモンの基本的な知識について簡単におさらいしていくことから始めていきましょう。

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そもそも成長ホルモンとは?

成長ホルモンは、ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone/HGH)と呼ばれる、脳下垂体から分泌されるホルモン。

名前の通り、細胞の成長や再生に一役買っており、体全体のエネルギーレベルを高め、素早く筋肉を合成したり、脂肪の燃焼を助けたり、骨を強化するといった効果を持っているもの。

その名前からして、成長期に身長を伸ばしたり、骨格を大きくしていく際に大切になってくるのは分かるかと思いますが、成長期を過ぎた後でも体内で起こる様々な代謝に関与しており、加齢と共に起こってくる体の衰えを緩やかにするためにも大切です。

そのため成長ホルモンは、見方によっては「体内時計の時間を巻き戻す」ホルモンであると考えることも出来、世間的には「若返りホルモン」と呼ばれることもあります。

ちなみに、この成長ホルモンは加齢と共に分泌量が減っていくとされ、成長ホルモンの分泌が減ってしまった結果、筋肉や骨への影響以外にも、

  • 性欲減退
  • 脳の鋭敏さの衰え
  • 活力の低下

(参照:Pfizer Japan

といった、体組織の修復や成長以外のことにも影響を与えるため、いくつになっても健康的で若々しく活動するためにも、成長ホルモンの分泌を促す活動に取り組んだり、環境を作ったりすることが大切であり、そのためにも筋トレと睡眠が鍵になってくるとされています。

筋トレと睡眠が成長ホルモンの分泌に効果的な理由って?

成長ホルモンの分泌には、筋トレと睡眠が効果的であるという話は耳にしたことがあるかと思いますが、その理由やメカニズムについてはよく分からないといったことが多いかと思います。

そこで、ここでは簡単に、その二つがなぜ成長ホルモンの分泌に大切なのかを説明しておきます。

筋トレが成長ホルモンの分泌に大切な理由

まず、筋トレを行うと成長ホルモンの分泌が増える理由とは次のようなもの。

まず、高負荷が筋肉に掛かかると、その負荷に抵抗するように力を発揮した結果、筋肉内部の内圧が高まり、筋肉内には代謝物が発生することになる。

すると、力を出すために働いた筋肉には、「重い」「ダルい」「痛い」と言った感覚である「即発性筋痛」が現れてくることになり、このの即発性筋痛を引き起こしているのが、筋肉内に発生した代謝物の中でも乳酸と水素イオン。

そして、この二つの代謝物が発生すると、

  1. 神経を刺激する
  2. その刺激が視床下部を刺激する
  3. 視床下部から今度は脳下垂体へ「ホルモン分泌を促す」指令が出る
  4. 脳下垂体が成長ホルモンを分泌する

といった流れで、成長ホルモンの分泌を促していくことになり、これが筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されるメカニズム。

ちなみに、成長ホルモンを分泌させるには、十分な負荷を使うことが大切であり、同時に関わる筋肉の体積が全体として大きくなればなるほど、その効果も高くなるので、その点を覚えておくと良いかと思います。

(参照:筋肉まるわかり大事典, p.352-353)

睡眠が成長ホルモンの分泌に大切な理由

そして、睡眠が成長ホルモンの分泌に大切な理由は、なんといっても成長ホルモンの分泌は、寝ている間に最も盛んに行われるから。

特に、睡眠が始まってからおよそ1時間後に起こる、ノンレム睡眠(深い眠り)に入った際に盛んに分泌が開始されるとされ、結果として体の修復や成長が起こってくることになります(参照:筋肉まるわかり大事典, p.298)

このような点から、成長ホルモンが少なくなることによって引き起こされる悪影響を回避し、筋肉や骨の強化などを引き起こして若々しい体を維持するためにも、徹夜は避けるなど、睡眠を大切にしていくことが重要であると言えるかと思います。

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成長ホルモンの十分な分泌で期待される筋トレに関係する効果をもう少し詳しくみていく

さて、成長ホルモンの基本的な概要と、増やすためにも筋トレと睡眠が大切であるということを紹介してきましたが、ここからは、成長ホルモンが持つ筋トレに関係する効果について、もう少し詳しく見ていこうと思います。

成長ホルモン分泌による効果① 筋肉の増強

成長ホルモンの分泌を盛んにすることで期待出来る効果として、筋肉の増強を促進していくというのは、とても有名で知っている人も多いことです。

では、そもそもなぜ、成長ホルモンが筋肉の増強に効果があるかの理由の一つが、成長ホルモンは成長期後であっても、体内で起こる様々な代謝活動を補助して促進する役割を持つわけで、その中には、タンパク質の合成も含まれることになるから。

つまり、筋肉を作っているのはタンパク質であり、体内にあるアミノ酸から筋タンパク質を合成する過程を、成長ホルモンは促していくことになり、結果として、筋肉の修復から成長までを促進していくことになる。

また、成長ホルモンには、筋肉細胞も含めた人体の様々な細胞の分裂や成長を促す「インスリン様成長因子(IGFs)」と呼ばれる物質を刺激して、その分泌を促すといった働きもある。

このIGFsの分泌は加齢によって分泌量が現象してしまうため、これも加齢により筋肉が減っていってしまう一つの原因とされています。

逆に言えば、成長ホルモンの分泌を促すことは、IGFsを高めるためにも効果的であり、IGFsが分泌された結果、さらに筋肉の成長へ繋がっていくと考えることが出来るわけ。

実際、50~70歳の成長期はとうに過ぎた健康な14名の男性を2つのグループ(HGHの投与を受けたグループと受けないグループ)に無造作に分けて、成長ホルモンの効果を6ヶ月間検証した研究によると、加齢により衰えやすい下半身の筋肉に関して、HGHの投与を受けたグループでは、著しい筋肉の増加が確認されたとしています(参照:International JOurnal of Endocrinology

このように成長ホルモンは、筋肉を維持するためにも、そして増強するためにも効果を持っているホルモンであり、健康的に過ごしていくためにも、分泌を盛んにしていくことは大切になってきます。

成長ホルモン分泌による効果② 骨を強くする

また、成長ホルモンの分泌が増えることは、高負荷の筋トレに耐えるために大切な骨を強化するためにも有効。

というのも、上で挙げた成長ホルモンによって刺激されるIGFsは、骨細胞にも影響するから。

また、筋肉と同様、骨はタンパク質で形作られ、そこにリン酸カルシウムが沈着することによって骨として強くなっていくという点から考えても、成長ホルモンの分泌によってタンパク質合成が促されることは、骨の強化にポジティブに働くと言える。

そして、骨の強化や丈夫な状態を維持するためにも欠かせないカルシウムが、骨から溶け出してしまうのを抑制し、骨内にカルシウムを維持するためにも、成長ホルモンは働くとされる報告もあります(参照:Henneman, et al, 1960

このようなことから、成長ホルモンの分泌が高まることは、骨の強化にも大切であり、骨が弱ってしまって骨粗鬆症になるリスクを下げるといった効果が期待出来ると言えるのです(参照:Pfizer Japan

成長ホルモン分泌による効果③ 体脂肪の燃焼

そして、ダイエット目的で筋トレをしている人なども、成長ホルモンについては耳にしたことがあるはず。

というのも、成長ホルモンは体についた脂肪、つまり中性脂肪を、脂肪酸とグリセロールという二つの物質に分解するように促進するから。

この脂肪酸とグリセロールはどちらとも、体の活動に必要な直接のエネルギー源であるAPT(アデノシン三リン酸)の合成に、経路は違うものの利用されていく物質。

つまり、言い方を変えれば、APTが体を動かすために直接的なエネルギーであるとしたら、脂肪酸もグリセロールも、人にとっては間接的なエネルギー源ということ。

もちろん、中性脂肪をこの二つの物質に分解したからと言っても、高カロリー食を摂り続けて二つの物質がエネルギー源として使われる機会がなければ、再度合成され中性脂肪になってしまいます。

しかし一方で、中性脂肪を分解したと同時に、体内へ摂取するカロリーを低く抑えていくことで、中性脂肪が分解されて出来た二つの物質が、エネルギー源として積極的に使われていくことになり、結果的に体脂肪の減少が促進されていくことになると言えます。

実際、『Hormone Research』という研究誌に発表された、成長ホルモンの効果について研究では、次のようなことが報告されています。

(条件)

  • 肥満体の24人を無造作に二つのグループに分けた
    • 低カロリー食と成長ホルモンを投与されるグループ
    • 低カロリー食とプラシボ(偽薬)を投与されるグループ
  • 期間は12週間

(結果)

  • 成長ホルモングループは、脂肪減少による体重の減少がプラシボグループに比べて1.6倍に上った。
    • 特に、内臓脂肪が大幅に落ちていた
  • プラシボグループでは、筋肉が減少していたのに対して、成長ホルモングループは筋肉の増加が見られた

(参照:Kim KR, et al., 1999, “Low-dose growth hormone treatment with diet restriction accelerates body fat loss, exerts anabolic effect and improves growth hormone secretory dysfunction in obese adults”, in Hormone Research.)

このようなことから、食事の管理をしっかりと行いながら、成長ホルモンの分泌を促すことは、脂肪燃焼を加速させ、ダイエットを目的とする人にとっては、嬉しい効果を持っていると考えることが出来るかと思います。

成長ホルモンが持つその他の効果について

成長ホルモンは、筋トレに関しては優れた効果があることが分かりましたが、他にも様々な効果を持っているとされます。

そこで最後に、成長ホルモンが持つ筋トレに関する以外の効果を、簡単に紹介していきます。

成長ホルモン分泌による効果① 心臓疾患のリスクを低くする

成長ホルモンの分泌を促していくことは、心臓疾患のリスクを低くする上でも効果があるとされています。

というのも、成長ホルモンの分泌が少なくなってしまうと、心臓の機能が徐々に低下していってしまうとされているのが一つ目の理由。

成長ホルモンの分泌が少なくなり、心臓機能が弱まった状態が続くことで、動脈硬化が進み、それが心筋梗塞や狭心症などに繋がってしまう可能性が高くなってくる。

そして、十分な成長ホルモン分泌は、コレステロール値の調整といった作用を担う一方、分泌が少なくなってしまうと、心臓病のリスクにつながるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加してしまうもされている。

したがって、成長ホルモンがしっかりと分泌されていく環境を整えてあげるというのは、心臓に関する疾患のリスクを下げる上でも有効になってくると言えるのです。

(参照:Phizer Japan

成長ホルモン分泌による効果② 精神の安定や脳力の向上

さらに、成長ホルモンの分泌は、精神の安定化(前向きで積極的になり明るい気分になる)や、脳機能(記憶力と認識能)の向上にも役立つされています。

実際、リトアニアで行われた、成長ホルモンが「気分」と「認知機能」にどのように影響するのか調べた研究では、次のようなことが報告されていたり。

(条件)

  • 6ヵ月間の成長ホルモン治療の後、認知機能、精神状態、集中力が、基準値からどれほど変化しているか調査した
  • 18人の成長ホルモン分泌不全症欠の成人患者が参加した
  • 一週間に12IUの成長ホルモンの投与を行った(※IUとは薬理学で用いられる単位)

(結果)

  • 6ヵ月後には、気分も認知機能も明らかに改善されることが分かった
    • 気分はムードスケール(Mood Scale/アンケートのように、設定された質問に答え、気分を測定する方法)で測定
    • 認知機能は認知機能を測るテストによって測定

(参照:Lasaite L, Bunevicius R, Lasiene, D, Lasas L, 2004, Psychological functioning after growth hormone therapy in adult growth hormone deficient patients: endocrine and body composition correlates.)

このようなことからも、成長ホルモンの分泌は、精神面や脳機能面を健康に保つためにも大切であり、効果があるということが分かります。

(参照:医療法人愛香会 奥山医院

成長ホルモン分泌による効果③ 性欲の改善

成長ホルモンはまた、性欲を改善する効果も持っているとされます。

成長ホルモンは人体の細胞を活発な状態にしておくためにも大切であり、それはつまり、人体の活動において最も根幹をなすといっても過言ではない、心臓の機能を維持するということに繋がってくる。

そして、心臓は体内の血流を促すために働く器官であり、そのなかでは、生殖器への血流を増やして、生殖器の機能を活発にさせるといった働きも担っている。

これが、成長ホルモンが性欲を促すために大切な一つの理由だとされ、成長ホルモンの分泌をしっかりと維持しておくことは、加齢による性欲の減退を防ぐことにもつながるとされているのです。

(参照:American HGH Clinics

こういうのってどうなんだろ?

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成長ホルモンと筋トレ|十分な分泌による効果を筋肉トレーニングを中心にそれ以外も見ていくのまとめ

成長ホルモンと筋トレの関係を中心に、成長ホルモンの分泌から期待出来る様々な効果を見てきました。

成長ホルモンは、健康に生活していくためには大切なホルモン。

その成長ホルモンを促していくためにも、筋トレや睡眠を十分にとるように心がけて生活していくと良さそうです!

ぴろっきーでした!

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