筋原線維/筋原繊維|タンパク質(アクチン&ミオシン)や構造を知って筋繊維をもっと理解しよう!

筋原線維(筋原繊維)について見ていきます。筋原線維は筋繊維を構成するさらに小さな単位。この筋原線維の構造や、構成しているタンパク質(アクチン&ミオシン)を知っておくことは筋肉を理解するためにも役立ちます。

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筋原線維(筋原繊維)は、筋肉を構成するとても小さな単位。

しかし、小さな単位といっても、実は筋肉で力を出す際の筋収縮のメカニズムや、筋肉が持つ特徴などを理解していく上でも、最も基本となる部分であり大切。

「筋肉に関して知識を増やしていきたい」とか、「筋トレに関してもっと理論的なアプローチを出来るようになりたい」などといった場合には、筋原線維の構造や、その筋原線維を作っているタンパク質の働きなどについて理解しておくと何かと役立つはず。

筋原線維(筋原繊維)について、詳しく見ていこうと思います。

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骨格筋のおさらい

筋原線維をよりよく理解していくためにも、まずは「森を見て木を見る」ために、骨格筋について簡単におさらいしていきます。

人間の体を動かすために最も重要な役割を持っているものと言えば骨格筋。骨格に付着して関節を動かす働きを持つ、いわゆる「筋肉」のことですね。

その骨格筋の数は、名前が付いたものだけでもおよそ200もあり、それ以外も合わせるとおよそ400はあると言われ、体重の40%程度を占めているとされます(参照:ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典

・Fascicle:筋繊維束
・Muscle fibre:筋繊維
・Myofibril:筋原線維

そしてこの骨格筋は、筋周膜に覆われた筋繊維束が複数集まることで形成されている。さらに筋繊維束は、筋繊維が筋内膜に覆われ、数十個集まって形成されたものになります。

ちなみに、筋繊維はおよそ0.02mm~0.1m程度の直径を持ち、1mm程度から50cmぐらいまでの長さを持つとされます(参照:骨・関節・筋肉の構造と動作のしくみ

その筋繊維を構成するのが、筋繊維より細い直径を持った筋原線維。筋原繊維が複数集まることによって、筋繊維は構成されているのです。

つまりまとめると、骨格筋を分解して次のように、大きなものから小さなものへ順番で分けていくと理解しやすい。

  • 骨格筋=筋繊維束の集まり
    • 複数の筋繊維束が筋周膜によって覆われて集まったもの
  • 筋繊維束=筋繊維の集まり
    • 数十の筋繊維が筋内膜によって覆われて集まったもの
  • 筋繊維=筋原線維の集まり
(筋繊維にまつわる豆知識)

ちょっとここで、筋繊維に関しての豆知識。

筋繊維という名前だと理解しにくいかと思いますが、実は筋繊維は別名「筋細胞」と呼ばれるものであり、筋肉を作っている細胞そのもの。

しかし、一般的にイメージされるような細胞(一つの細胞内に一つの核を持つ細胞)とは違い、筋繊維(筋細胞)は、一つの細胞内に数百個とも言われる複数の核を持つ多核細胞。

実はこの特徴が、筋肉の特徴である「大きく強く成長する」といったことにつながっている。

どういったことかと言うと、核が何百と一つの筋繊維に存在するため、例え一部が破壊されたとしても、他の核はまだ存在しており、その残された核の指令により壊れた部分を修復しながら、同じ負荷で再度破壊されないように、強度を増していけるってこと。

細胞レベルで見ると、このような筋繊維の特徴があるからこその、筋肉増強ってことなんですね。

(参照:運動に関わる筋肉のしくみとトレーニング法

筋原線維(筋原繊維)とは?

筋原線維が筋繊維を構成しているさらに最小の単位であるということは理解出来たかと思いますが、ここからは本題であるその筋原線維についてさらに深く見ていきましょう。

(筋繊維と筋原繊維の図。筋繊維は多くの筋原繊維によって構成されているのがわかる)

筋原線維は、複数集まることで筋繊維を構成している棒状の基本的な単位(ユニット)。

その直径は約1マイクロメートル(0.001ミリメートル)とも言われ、極細のユニットになります。

また、上の画像を確認すると分かる通り、筋原繊維はミトコンドリア、筋小胞体、T小菅となどの、小器官に取り巻かれるように配置されています。

筋原線維の構造

サルコメア(筋節)

筋原繊維はさらに細かく見ていくと、サルコメア(筋節)というより細い単位に分けることが出来ます。

Sarcomereがサルコメア。これが縦に繋がることでMyofibril(筋原繊維)を構成する

上の図で確認すると分かる通り、筋原線維(Myofibril)には横に線が入っており、それぞれの線で挟まれた部分がサルコメア(Sarcomere)になります。

このサルコメアが無数に縦に繋がることで、筋原繊維が構成されているのです。

つまり、サルコメアはある意味、筋肉を構成する「最小単位」と考えることが出来るってこと。

ちなみに、そのサルコメアは、アクチンやミオシンといったタンパク質分子、また、それらを結びつけておく他のタンパク質から構成されています。

  • 筋原繊維=サルコメアが縦につながったもの
  • サルコメア=アクチンやミオシンといったタンパク質から成りたったもの

筋原線維内で確認出来るミオシンとアクチンをもう少し詳しく

サルコメアを構成しているアクチンとミオシン。それぞれは「フィラメント」と言われる繊維上の構造を作っていくことになります。

(上がアクチンフィラメントで下がミオシンフィラメント)

  • 細いフィラメント(アクチンフィラメント)
    • その主成分のタンパク質分子であるアクチンが螺旋状に結合(重合=一つの分子が2個以上結合して分子量の大きい化合物を生成する反応)して形成されている。
    • ミオシンフィラメントに比べて細いのが特徴。
  • 太いフィラメント(ミオシンフィラメント)
    • タンパク質分子であるミオシンから成り、タイチン(チチン)というタンパク質によって位置を安定させられている。
    • おたまじゃくしのような頭を二つ持つミオシン分子が集合しているため、ミオシンの頭部が飛び出している(クロスブリッジ)のが特徴

そして、このアクチンフィラメントとミオシンフィラメントは、「アクトミオシン」と呼ばれることもあるように、二つが一緒になって初めて機能することになる。

そのため、1本のミオシンフィラメントの両側を取り囲むようにしてアクチンフィラメントが並んでおり、神経から「力を出せ」と伝達が伝わると、ミオシンフィラメントがアクチンを引っ張るように(またはアクチンフィラメントがミオシンフィラメントに向かって滑り込んでいくように)動いていく。

実は、これが筋肉の収縮の正体。

ミオシンフィラメントにアクチンフィラメントが滑り込んだ分だけ、サルコメアの長さが短くなることで筋原繊維の長さが短くなり、筋肉が収縮を起こしていくことになるのです。

このアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが互いに滑り合って筋収縮を発生させるしくみを「フィラメント滑走説」と言います。

フィラメント滑走説について

フィラメント滑走説についてもう少し詳しく解説すると、上の図が示す通り。

アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの二つのフィラメントの長さは変わらないのに、アクチンがミオシンに対して滑り込むようにして動いた結果、重なり合う距離が長くなり、その分、サルコメア(筋節)全体の長さが短縮するってこと。

この滑走は、一つのサルコメアから次のサルコメアへ繰り返し起きていくことになり、それが筋原線維全体の収縮へとつながっていくことになるんですね。

ちなみに、その滑走を引き起こす引き金となるのは、カルシウムイオン。

筋繊維が刺激を受けることで、筋原繊維を取り巻く筋小胞体に蓄えられているカルシウムイオンが放出され、それがアクチンフィラメントの構造を変え、ミオシンとの結合を可能な状態にする。

すると、ミオシンはATP(アデノシン三リン酸)をエネルギーとして使いながら、アクチンを引き寄せるようにして、結合・解離を繰り返していくといったことが起こってくるのです。

筋原繊維内のフィラメントにって表現される縞模様と明るさの違い

骨格筋は、横紋筋と呼ばれる特徴をもった筋肉に分類されるのを知っている人もいるかもしれません。

この横紋筋は、外見が綺麗な縞(しま)模様になっており、強い力を素早く発揮出来るのが特徴。

そして、この縞模様は筋原繊維の基本単位であるサルコメアを構成する、細いアクチンフィラメントと太いミオシンフィラメントが、ほぼ完璧に近い形で規則正く並んでいるのが理由なんです。

縞模様の明るさの違いについて

I帯は「明るい」部分
H帯は「暗い」部分

上は筋原繊維の一部を拡大したイメージ画像。

膜状構造をしたZ線二つに挟まれた部分がサルコメア(筋節)で、I帯と呼ばれる相対的に「明るい」部分と、A帯と呼ばれる相対的に「暗い」部分が、「規則正しく配列」されているのがわかるかと思います。

(※M線は太いミオシンフィラメントをお互いに結びつけている線で、H帯はA帯の中央部を指す。)

I帯はアクチンフィラメトでA帯はミオシンフィラメント

まず、明るい方のI帯ですが、この領域はその主成分が主にアクチンフィラメントになります。

アクチンフィラメントは、直径が小さいため、フィラメントとフィラメントの間から光を通しやすいといった構造上の特徴がある。

そのため、偏光顕微鏡などを使用して確認すると、より明るい領域となって確認されることになります。

逆に、A帯の主成分はミオシンフィラメントになり、ミオシンフィラメントは直径が大きいため光を通しにくく、その結果、より暗く見えるようになります。

そして、この光の通し具合の違うフィラメントが筋原繊維の長さに沿って規則的に並ぶことで、骨格筋繊維の特徴的な縞模様を作っているのです。

(豆知識)筋収縮が起こると見えなくなるH帯

筋収縮時には、アクチンはミオシンによって筋節の中央まで引っ張られることになる。

その場合、上の筋原繊維の明るさの分布を示したA帯の中央にあるH帯は、アクチンとミオシンフィラメントの重なる領域が増えるにつれて、どんどん小さくなり、最終的にはアクチンとミオシンが完全に重なった状況では見えなくなります。

つまり、筋収縮を最大に起こした場合は、このような光の分布図で見た場合にも変化が起こるということであり、筋肉をミクロレベルで理解する奥深さを感じることが出来ます。

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筋原線維/筋原繊維|タンパク質(アクチン&ミオシン)や構造を知って筋繊維をもっと理解しよう!のまとめ

筋原線維について、その構造や仕組みなどを見てきました。

筋肉はすべての運動における力を出す根幹。筋収縮をすることで、運動における動作が初めて可能になります。

そんな、運動の最も基本とした筋収縮が、筋原線維を通して見ていくと、もっとミクロレベルの世界で行っていることが分かってきます。

筋肉をその根幹から勉強して、より深く知識を広げ、筋肉に関する理論的な応用力を身につけていきましょう。

ぴろっきーでした!

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