恥骨筋とは?作用からストレッチやトレーニングにおすすめな筋トレ種目まで

恥骨筋の作用から特徴、さらにはストレッチ方法やトレーニングにおすすめな筋トレ種目を見ていきます。小さい割には案外大切な、恥骨筋について確認してみましょう。

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恥骨筋について聞いたことはありますか?

恥骨筋はその名の通り、恥骨につながる筋肉で、内ももの筋肉として有名な内転筋群に含まれる筋肉の一つです。

そして、体積が小さい割には、特定の動きに関しては以外に大切になったりと、無視できない筋肉でもあったりします。

そんな恥骨筋について、その概要から作用、他にも知っておきたいちょっとした特徴、さらにストレッチ方法やトレーニングにおすすめな筋トレ種目までを紹介していきます。

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恥骨筋(ちこつきん)とは?

恥骨筋とは、内ももに位置しながら、開いた脚を付け根から内側に閉じる「股関節の内転」動作に関与する、股関節内転筋群を構成する筋肉の一つ。

内転筋群には、大内転筋長内転筋短内転筋薄筋、そしてこの恥骨筋の5つが含まれています。

その内転筋群の中でも恥骨筋は、最も上部に位置しており、さらに扁平な形をしているのが特徴。

また、斜め上には腰椎の側面から太ももに伸びる大腰筋が、斜め下には恥骨筋の下部を並走するように長内転筋が存在しており、この二つの筋肉の間に位置しています。

ー赤い部分が恥骨筋ー

(斜め下には長く伸びる長内転筋が、斜め上には大腿骨まで伸びる大腰筋の一部が確認出来る)

恥骨筋は、他の内転筋群と同じように、股関節の内転動作に関与していますが、恥骨筋が最も貢献するのは、脚を付け根から内向きに捻る股関節内旋。

さらに、下の画像のように、恥骨筋の起始部は骨盤の中でも前方へ伸びている恥骨櫛(ちこつしつ)につながるため、その作用として大腿骨を前方へ動かすという働きもあり、股関節の内転や内旋以外にも、脚を前方へ振る股関節の屈曲動作にも関与することになります。

(恥骨筋は骨盤前方に伸びているのが分かる)

英語で恥骨筋は”pectineus”と表記され、ラテン語で「櫛(くし)」を意味する”pecten”から派生した単語。

家畜の世話に使う、鉄櫛に残る動物の毛が連想されるとして、”pectineus”と名付けられたのが由来です。

恥骨筋の役割

恥骨筋の主な役割
  • 股関節の内旋
    • 太ももを回転軸にして、脚を付け根から内向きに回旋する
  • 股関節の屈曲
    • 脚を付け根から前方に振る
  • 股関節の内転
    • 開いた脚を付け根から内側に閉じる

恥骨筋の機能と役割(作用)例

恥骨筋の作用は、上で紹介した通り、股関節の内旋に主に貢献しながらも、股関節の内転や屈曲にも関与していることが分かります。

この恥骨筋の作用が、日常生活やスポーツで具体的にどのような場面で影響するのか、いくつか例を見ていきましょう。

恥骨筋の作用
  • 日常生活において
    • 股を閉じる動作(内転)
    • 歩行中に太ももを前方へ振る(屈曲)
    • 腰の回転にも影響を与える(内旋)
  • スポーツや運動において
    • サッカーにおけるインサイドキック
    • ランニングやダッシュで太ももを前方へ振る
    • キックボクシングや空手などの回し蹴り

恥骨筋に関しては、股関節の内転筋群の中で最も上部に位置している扁平な筋肉で、大腰筋と長内転筋に挟まれている筋肉として覚えておきましょう。

恥骨筋のまとめ

筋肉データ 恥骨筋のまとめ
筋群 股関節内旋筋
支配神経 大腿神経(L2~L3)・閉鎖神経の前枝(L2~L4)
起始 恥骨櫛
停止 大腿骨粗線の近位部と恥骨筋線
筋体積 65㎤
PCSA(注1) 9.0㎤
筋線維長 7.2cm
速筋:遅筋 (%) 50.0:50.0
(注1)「生理学的筋横断面積」の略称。基本的に筋肉が発揮できる力はPCSAに比例する
【参照:プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典
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恥骨筋の知っ得情報

恥骨筋は内転筋群の中では最も内転に作用しない筋肉

恥骨筋は、股関節内転筋群に含まれる筋肉ではありますが、実際のところ股関節の内転動作に関しては、最も貢献度の低い筋肉であり、股関節内転筋群に分類されると同時に、より細かく見ていった場合、股関節内旋筋として分類される筋肉。

実際その体積も、内旋筋群の中では最も小さく(65㎤)、次に小さい薄筋の88㎤と比較しても、その小さが確認出来ます。

具体的に、股関節内転に関与する筋肉の貢献度ランキングは以下の通り。

  1. 大内転筋
  2. 大臀筋(下部)
  3. 長内転筋
  4. 短内転筋
  5. 薄筋
  6. 恥骨筋

この中では、股関節内転群には含まれないお尻の大臀筋が含まれますが、その筋肉を抜かして見ると、5つの内転群の中では、最も股関節内転に関与が薄いのが確認出来ます。

股関節内転筋群の中では最も短い筋肉でもある

さらに、股関節内転筋群の中で比較した場合、体積や股関節内転への貢献度だけではなく、その長さも最も短い筋肉であったりします。

恥骨筋の筋線維長が7.2cmなのに対して、同じように短い短内転筋でも7.4cm、長内転筋は8.3cm、大内転筋は11.3cm、そして薄筋に至っては23.4cmにもなり、恥骨筋の短い長さが分かります。

股関節内旋に関してはそれなりに強い関与を持つ

ただし、股関節の内旋動作に関しては、その体積に似合わず比較的関与の大きな筋肉となります。

(脚を付け根から内側へ捻る股関節内旋の動作)

股関節の内旋に作用する筋肉の貢献度は次の通り。

  1. 中臀筋(前部)
  2. 小臀筋(前部)
  3. 大内転筋
  4. 恥骨筋
  5. 長内転筋
  6. 大腿筋膜張筋

中臀筋の筋体積が411㎤、小臀筋が138㎤、大内転筋が666㎤、長内転筋が188㎤と考えた場合、たった65㎤の体積しか持たない恥骨筋は、股関節内旋に関して、その体積に似合わず貢献しているといった特徴があるのです。

股関節内転でも脚をクロスさせる場合はちょっと違う

しかしこの恥骨筋、股関節の内転動作に関しても、その動作によっては、さらに重要になってくることもあります。

その動作とは、ただ開いた脚を付け根から内側に閉じるだけではなく、「一方の脚をもう一方の脚の前方にクロスさせるようにして、内側方向へ移動させていく」動作。

例えば、下の画像のように、片方の脚をもう一方の脚の前にクロスさせて、横へ真っ直ぐ移動していくサイドステップ。

(Aのように一方の脚をもう一方の脚の前にクロスさせる内転動作では恥骨筋が重要になる)

この場合、通常の股関節内転だけではなく、一方の脚をもう一方の脚の前をまたぐようにして横へ動かしていく軌道により、微妙に股関節の内旋の動きも加わってくる。

結果として、この脚をクロスオーバーさせる内転動作の中では、恥骨筋はプライマリームーバー(ある動作を行う上で、最も最初に動く、またはトリガーとして働く筋肉)となり、動作を支えていくことになります。

さらに、この脚のクロスオーバーの際、恥骨筋は股関節を安定させる作用も強くなるとされ、安定した動作を行っていくためにも重要度が増していきます。

恥骨筋が弱ってしまうと運動能力の低下のリスクも高まる

上記の通り、恥骨筋は特定の股関節内転の動作において、とても重要な作用を持つ筋肉。

恥骨筋が弱ってしまうということは、特にクロスオーバーの動きでサイドステップを行うスポーツにおいて、発揮出来るパフォーマンスを下げてしまうということにもなりかねません。

さらに、恥骨筋が弱った状態を放置しておくことは、股関節周りの筋肉バランスの不均衡を生じさせ、そのことによって歩行に影響が出てきてしまったり、怪我につながるリスクも高まってしまうといったことが考えられる。

そういった点を踏まえると、いくら他の股関節内転筋群と比較して小さく、一般的な股関節内転への貢献度も低いからといっても、無視できない大切な筋肉であると言えるかと思います。

恥骨筋のストレッチ

恥骨筋はその小ささに関わらず、以外にも特定の動きに関してはとても大切な筋肉であるため、出来ればしっかりとケアしておきたいもの。

そこで、恥骨筋をストレッチでケアしておく方法を知っておきましょう。

恥骨筋は他の内転筋群と一緒に働き、恥骨筋だけを分けてストレッチしたりトレーニングしたりするのは難しいので、ここでは内転筋群全体に効くストレッチとして、いくつかの方法を紹介しておきます。

恥骨筋のストレッチ①

  1. あぐらをかくようにして床に座り、両方の足の裏をつけましょう
  2. 足裏をつけた両方の足を、自分の方へ出来る限り引き寄せていきます
    1. 背筋は伸ばしておきましょう
  3. 左右の手を左右の膝へ乗せて、ゆっくりと地面の方へ押していきます
    1. 人によってストレッチの程度が変わってくるので調整してください
  4. 恥骨筋のストレッチを感じた場所で20秒以上静止して戻していきます

また、さらに恥骨筋をストレッチしたい場合、パートナーがいるのであれば、あぐらをかいた状態で背後から両膝を抑えてもらい、背中からパートナーに体重を掛けてもらって、恥骨筋をストレッチしていくのもありです。

恥骨筋のストレッチ②

  1. 両脚を出来る限り広げて座ります
  2. 脚を伸ばしたまま、前方へ手を置き、体を前傾させていきます
  3. 恥骨筋がストレッチされていると感じた場所で20秒以上静止しましょう

恥骨筋を鍛えるおすすめのトレーニング方法

ストレッチと同じように、内転筋群を鍛える筋トレ方法を通して、恥骨筋も一緒に鍛えられていくことになります。

ただし、恥骨筋は他の内転筋群と比較しても、クロスオーバーの股関節内転動作で、より強く働くという特性がある。

その点を考慮した上で、恥骨筋への効き目を強くした股関節内転筋群のトレーニング方法を2つと、恥骨筋も一緒に鍛えられる一般的な内転筋群のトレーニング種目を一つ紹介しておきます。

恥骨筋のトレーニング① クロスオーバーアダクション

※クロスオーバーアダクションとは、勝手に命名したものであり一般的に利用されている名称ではありません。

ケーブルアダクション

ケーブルアダクションは、ジムなどにあるケーブルマシンを利用して、股関節内転動作を行うトレーニング種目。

このケーブルアブダクションでは通常、鍛える側の脚をもう一方の脚の前にクロスさせて動かしていくことが多く、クロスオーバーの内転動作で活躍する恥骨筋の貢献度を高めながら、他の内転筋群と一緒に鍛えていけるトレーニング種目になります。

  1. ロープーリー(下側のケーブル)に足首ストラップをセットします
  2. そのストラップを足首へ装着します
  3. ケーブルマシンに対して横向きに立ちます
    1. ストラップを装着した脚がケーブルマシン側に来るようにしましょう
  4. その脚をもう一方の脚へクロスオーバーさせながら内側へ動かしていきます
    1. 必ず、ターゲットとなる脚をもう一方の前にクロスさせながら動かしていくようにしましょう
    2. また、クロスさせる時には出来る限り、横に真っ直ぐ動かし、つま先を軽く内側へ曲げるようにしておくと、股関節を内旋気味に動かしていけるようになります
  5. その後、ケーブルの負荷に耐えながらゆっくりと戻していきます 

チューブアダクション

また、ケーブルマシンが利用できない場合などは、恥骨筋の貢献度を高くしたクロスレッグの内転動作を、代わりにトレーニングチューブで行ってみるのがおすすめ。

基本的な動作は一緒で、シンプルにケーブルの代わりにトレーニングチューブを利用するだけです。

恥骨筋のトレーニング② マシンアダクション

マシンアダクションは、ジムでよく見かける、内転筋群を鍛えるための専用マシンを利用したトレーニング種目。

股関節の内転動作に関与する筋肉を全体的に鍛えていくことが出来、もちろん内転動作に関わる恥骨筋も同時に使っていくことになります。

クロスオーバーアダクションと比べて、恥骨筋の関与を強めたものではありませんが、他の股関節内転筋群とバランスを取りながら鍛えていくためにもおすすめな筋トレです。

  1. 専用マシンのシートに座り、背中を背もたれにぴったりつけます
    1. 膝を曲げた状態で、膝の内側にパッドがくるようにします
    2. 内ももは開いた状態になっているはずです
  2. 内ももの内転筋群を収縮させて、ゆっくり両足を閉じていきます
  3. 閉じ切ったら少し静止し、その後元の位置に戻していきます

インテリアなの!?

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恥骨筋とは?作用からストレッチやトレーニングにおすすめな筋トレ種目までのまとめ

内ももにある筋肉の一つである恥骨筋ついて、その作用からストレッチ方法やトレーニング方法までを見てきました。

恥骨筋は意外にも大切な筋肉。

紹介した特徴を覚えておいて、ストレッチやトレーニングを時々行っていきましょう!

ぴろっきーでした!

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