横紋筋・平滑筋・心筋|3つの筋肉の種類の特徴と比較

横紋筋・平滑筋・心筋を、それぞれ確認して比較していきます。3つの筋肉の種類や特徴を確認して、人体に関する知識を深めていきましょう。

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横紋筋(骨格筋)・平滑筋・心筋と、人間の体で見られる筋肉は、大きく3つに分けることが出来ます。

この3つの筋肉の違いや特徴をそれぞれ知っておくと、より筋肉についての理解が深まり、普段「筋肉」と一言で済ましていたものが、実はもっと奥深いものであることが見えてきます。

筋肉について興味を持っているなら、少しでも筋肉への理解を深めるために、この3つの筋肉の種類について知識を深めておきましょう。

筋トレやその他のスポーツを行っているだけだと、横紋筋(骨格筋)以外の知識はそこまで必要ないかもしれませんが、人体に存在する筋肉には、それ以外にどのようなものがあるのかを知っておくことは、決して損にはならないはずです。

横紋筋(骨格筋)・平滑筋・心筋について、それぞれの概要や特徴を確認していき、最後に比較表をまとめておきます。興味があれば、確認しておいてください。

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筋肉の種類① 骨格筋(横紋筋の一つ)

骨格筋は骨に付着している筋肉で、筋繊維の収縮作用により関節を動かし、骨格をスムーズに動かすことを主な働きとした筋肉。

一般的にイメージされる筋肉と言えば、大抵の場合、この骨格筋が当てはまることになります。

また骨格筋は、縞模様(横紋)があるその形状から、横紋筋とも言われることがある筋肉。

横紋筋である骨格筋の図。縦にしましま模様が規則正しく配列されているのが分かる

この横紋筋特有の「縞模様」は、筋繊維内部で、アクアチンフィラメントと太いミオシンフィラメント(注)が、交互に規則正しく配列することで表れたものになります。

ちなみに、このような繰り返しの構造によって、横紋筋は素早く強い力を発揮することに長けているといった特徴を持ち、その結果、素早く大きな力が必要となる身体動作には、全てこの横紋筋が関与していくことになります。(参照:運動に関わる筋肉のしくみ

また骨格筋は、意識的に脳から筋肉に神経刺激を伝達することで、直接コントロール出来る「随意筋」とも呼ばれる筋肉。

そのため、力強く速い動き、または、細やかで繊細な動きなど、様々な動き(筋収縮の作用)を意識的に可能にし、さらに、このように弛緩や収縮を繰り返しながらも、元の形に戻っていくといった特徴があります。

(注釈)

フィラメントとは、タンパク質の分子で出来た長い繊維状構造のこと。このフィラメントが重なり合うことで、筋繊維を構成する筋原繊維の最小単位である筋節(サルコメア)を形成している。

骨格筋の作用・役割

  • 意識下で骨格を動かす
    • 関節を動かしていく
    • 四肢・指・つま先・首・胴体 など
  • 意識下で表情を作る組織を動かす
    • 表情筋につながら皮膚を動かす など
    • 笑顔を作ったり、眉をひそめる など
(こぼれ話)骨格筋自体にも多くの種類の筋繊維が存在する

ちなみに、骨格筋のもう一つの特徴として、骨格筋を構成する筋繊維には様々な形状のものが存在しているといった点を挙げることが出来ます。

例えば、紡錘状筋(平行筋)と羽状筋の違い。

紡錘状筋(ぼうすいじょうきん)では、筋繊維は腱に向かって平行に並んでいるのに対して、羽状筋では、筋繊維は中央の腱に付着しながら、斜めに走行しているといった特徴があります。

詳しい説明は省くとして、ざっと骨格筋繊維の種類の主だったものを並べると以下の通りになります。

種類 形状
紡錘状筋
(平行筋)
筋繊維が腱に向かって平行に並ぶ(最も一般的な形状) ハムストリング
紡錘状筋は以下のようなものもある
二頭筋(紡錘状筋) 筋頭が2つに分かれている 上腕二頭筋
三頭筋(紡錘状筋) 筋頭が3つに分かれている 上腕三頭筋
その他の筋繊維の形状
羽状筋 筋繊維は中央の腱に付着しながら、斜めに走行している ヒラメ筋
半羽状筋 中央の腱を中心にして半分だけに斜めに走行した筋繊維が付着している 半膜様筋
多腹筋 筋腹が腱(腱画)によっって分断されている 腹直筋
鋸筋(きょきん) 鋸の歯のような形で広がっている 前鋸筋

筋肉の種類② 平滑筋(内臓筋)

横紋筋のような縞模様は確認できない

平滑筋は骨格筋とは違い、フィラメントが不規則に配列しているため、横紋構造を確認することが出来なく、表目がより滑らかに見える筋肉。(英語ではSmooth muscle「滑らかな筋肉」となることがそれを物語っている)

また同時に、自分の意思では動かすことができない「不随意筋」であり、不随意系神経信号により刺激され、内臓器官を動かすため、ゆっくりリズミカルな収縮を行うといった特徴を確認することが出来ます。

横紋筋と比べて、伸び縮みしやすい(可動域が広い)といった特性を持ちながら、心臓以外の内臓(胃や腸などの消化器や血管、さらには気管なども)を動かしている筋肉になり、例えば、

  • 食道に沿って食べ物を移動させたり(蠕動(ぜんどう)運動)
  • 血管を収縮させたり

といった働きを担っています。

平滑筋の作用・役割

  • 消化器の蠕動運動を行う
    • 食べ物を胃腸に沿って下方へ動かしていく
    • 胃の中の物を押し上げて吐く など
  • 液体などの流体を体内で循環させる
    • 体外へ排泄物を出したりする など
  • 子宮内部が収縮する(女性)
    • 出産するために退治を子宮外部へ押出していく
  • 血管を収縮する
    • 血管の内側を広げたり狭くしたりする

筋肉の種類③ 心筋(横紋筋の一つ)

骨格筋の筋繊維が持つ横紋構造とは多少の違いこそあれ、心筋も同じようにしましまの表面構造を確認出来る。

心筋は、その名前が示す通り、心臓壁にのみ見られる筋肉。

骨格筋と同じく横紋筋の分類になりますが、自分の意思で動かすことが出来ない点では、平滑筋と同じ分類になる。つまり、横紋筋の一つでありながら不随意筋でもあるってこと。

そして、そのちょっと変わった特徴の理由が、心臓が持つ他の内臓とは大きく違った役割。

心臓は他の内臓と同じように、動くためには、筋繊維が伸びたり縮んじだりする必要がある。さらに、他の内臓と同じように袋状の器官である。

この2点については、他の臓器と同じになりますが、最大の違いとして、心臓は「血液を十分に強い力で送り出し、寝ていようが起きていようが、身体中の隅々まで血液を行き渡らせて循環させ、生命維持に最も重要な働きを持つ」といった特徴があります。

このため、アクチンとミオシンが繰り返し並んだ構造によって強い力を素早く発揮する横紋筋が必要になり、さらに無意識にでも規則正しい動きを行える不随意筋である必要があるのです。

さらにこの心筋、もう一つ、とても特殊な動くためのシステムを持っている点を挙げることが出来ます。

それが、神経からの信号伝達がなくても収縮を繰り返せるってこと。心筋は自律神経系により、基本的には制御されています。しかし、ペースメーカー細胞と呼ばれる細胞群の働きかけにより電気が発生し、心臓は自ずと動くことが出来る。

心臓が体外であっても勝手に脈を打っている、手術現場の映像などを見たこともある人もいるかと思いますが、あれはそうした心筋の持つ特殊な働きによるものだったんですね。

心筋の作用・役割

  • 心臓壁の収縮・弛緩を無意識的に繰り返す
    • 心臓がポンプのような役割になって血液を身体中に循環させる
    • 血液に乗せて酸素を身体中に循環させる
(こぼれ話)心筋は疲れない

心筋は、生命活動を途切れさせずに、長い間、拍動を継続していく必要があるため「疲れない/疲労に非常に強い耐性がある」といった特徴があります。

ミトコンドリアやミオグロビンが大量に存在し、好気的代謝(有酸素性の代謝)が可能であるというのがその理由。

ちなみに、川島敏生博士(医学博士)によると、心臓が1分間に70回拍動した場合、70年間で約260億回の拍動になり、1回の血液の拍出量を60mlとすると、約1億5千万ℓもの血液を送り出すことになるそう(参照:筋肉・関節の動きとしくみ事典

このような働きを見ると、心筋が持つ「疲れない」特性を理解することが出来ますね。

それぞれの筋肉の種類を比較

横紋筋である骨格筋、平滑筋である内臓筋、さらに横紋筋でありながら不随意筋である心筋について、特徴や役割を詳しくみてきました。

ここで、最後にそれぞれの筋肉の種類の比較をまとめておきたいと思います。理解を深めるためにも参考にしてください。

横紋筋(心筋を除く)と平滑筋の比較

横紋筋(心筋を除く骨格筋)

  • 縞模様が現れる
  • 意識を使って動かすことが出来る(随意筋)
  • 筋節(サルコメア)が存在している
  • 骨格に付着する(表情筋を除く)
  • 関節を動かす
  • 多くのミトコンドリアが存在している
  • 多くの筋グリコーゲンを確認出来る
  • 横紋筋(心筋を除く骨格筋)の例
    • 上腕二頭筋
    • 大胸筋

平滑筋

  • 縞模様はなく、表面は滑らか
  • 意識を使って動かすことは出来ない(不随意筋)
  • 筋節(サルコメア)は存在しない
  • ミトコンドリアは比較的少ない
  • 筋グリコーゲンは確認出来ない
  • 心臓以外の内臓で確認出来る
  • 内臓を動かす
  • 平滑筋の例
    • 腸の筋肉
    • 血管の内側の筋肉

横紋筋・平滑筋・心筋の比較まとめ表

筋の種類 構造的な特徴 存在する位置 働き 随意筋/不随意筋
骨格筋
横紋筋(縞模様を作る)
・骨格に付着
・顔の場合はその他の組織(皮膚など)に付着
関節を動かす 随意筋
心筋 ・心臓壁 心臓を動かす 不随意筋
内臓筋 平滑筋(縞模様は作らない) ・血管
・胃
・腸
・胆のう
・膀胱
・肺の気道 など
心臓以外の内臓を動かす 不随意筋

筋肉の理解に良さそう

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横紋筋・平滑筋・心筋|3つの筋肉の種類の特徴と比較のまとめ

横紋筋(骨格筋)・平滑筋・心筋の特徴や働きなどを比較して見てきました。

「筋肉」と一言でいっても、そこには複数の種類が存在することが確認出来ます。

より詳しく筋肉について理解を深めていくためにも、そして人体の神秘に迫るためにも、今回紹介した3つの筋肉の種類について覚えておくと良いかと思います。

ぴろっきーでした!

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