腹横筋とは?鍛え方やトレーニング方法が特徴的!筋トレやストレッチに作用を知っておきたい呼吸筋

腹横筋について知っていますか?鍛え方やトレーニング方法が他の筋肉の筋トレとは違った、特徴的な呼吸筋の一つです。腹横筋の特徴のある作用からストレッチ方法までを確認していきます。

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腹横筋について知っていますか?

腹横筋は名前からも分かる通り、腹筋に含まれる筋肉の一つ。

しかし、その作用は他の腹筋とも違い、一般的にイメージされるような筋肉の作用とはちょっと違うかもしれません。

だからと言って、腹横筋が持つ作用は、人間が毎日健康的に生活を送るためには不可欠なものになるため、可能であればケアしておきたい筋肉。

そんな、一風変わった腹横筋について、その概要から特徴、さらには鍛え方におすすめなトレーニング・筋トレ方法やストレッチ方法までを紹介していきます。

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腹横筋(ふくおうきん)とは?

腹横筋とは、「腹」と「横」という文字が示す通り、側腹に位置する筋肉。

同じように側腹にある腹斜筋よりも深い部分(内側)に位置しているため、お腹周りの筋肉の中でも最も深層に存在するインターマッスル(腹横筋の上は内腹斜筋に覆われており、内腹斜筋は外腹斜筋に覆われている)になります。

また、側腹にある腹斜筋は、筋繊維が斜めに走るのに対して、腹横筋の筋繊維は横に走っているといった特徴もあります。

腹腔(腹部の内臓が収まっているお腹内部の空間)を圧迫して、お腹を凹ませたり、それによって体幹を安定させたりといった働きを持つ筋肉で、似た作用や形を持っているため、「コルセット」の様な筋肉として描写されることもあります。

呼吸筋として息を吐く時の主力筋となり、もう一つの呼吸筋(吸気)である横隔膜とは拮抗的な作用を持ちながら、腹式呼吸で大きく呼吸をする際などにはとても重要になってくる筋肉です。

さらに、お腹側面の腹斜筋やお腹の前面表層に位置する腹直筋と違って、脊柱の動きには関与しないため、体幹の動作にはほとんど貢献することのない筋肉になります。

“transversus abdominis”という英語が腹横筋を意味することになり、ラテン語で「横切る」を意味する”trasversus”と、「腹部」を意味する”abdominis”がくっついて出来た単語になります。

腹横筋の役割

腹横筋の主な役割
  • 下位肋骨を下に引き、腹腔内圧を拡大
    • 腹斜筋とともに働いて腹腔内の臓器を圧迫するようにし、腹圧を高める

腹横筋の機能と役割(作用)例

腹横筋は見てきたとおり、呼吸においては息を吐く際に重要だったり、また、作用の中で腹圧を高めていくといった特徴を持っていますが、日常生活やスポーツなどでは、具体的にどんな場面で大きな役割を果たしているのでしょうか?

腹横筋が作用して働く、具体的な場面の例をいくつか挙げてみましょう。

腹横筋の作用
  • 日常生活において
    • 腹式呼吸をして息を吐いていく
    • くしゃみや嘔吐などを補助する
    • 腹圧を高めて排便や分娩などを補助する
    • 腹部を引き締めたり、姿勢維持を補助したりする
    • 転げ笑う時に腹圧が高まる際
  • スポーツや運動において
    • 激しいスポーツなどにおいて、腹式呼吸で息を吐く時
    • 重いものを挙上したり大きな力を出す際に、横隔膜の作用と拮抗しながらも一緒に腹圧を高めていく

腹横筋に関しては、お腹のサイドの最も深層にあるコルセットのようなインナーマッスルで、体幹の動きにはほとんど貢献しない息を吐く際の主力筋として覚えておきましょう。

腹横筋のまとめ

筋肉データ 腹横筋のまとめ
筋群 呼吸筋
支配神経 肋間神経(胸腹神経および肋下神経)(T10~T12)、腸骨下腹神経(L1)、腸骨鼠径(そけい)神経(L1)
起始 1. 第7~12肋軟骨の内面、胸腰筋膜の深葉/2. 鼠径靭帯、腸骨稜の内唇、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
停止 剣状突起、白線、恥骨(恥骨結節、恥骨櫛)
筋体積 NA
PCSA(注1) NA
筋線維長 NA
速筋:遅筋 (%) NA
(注1)「生理学的筋横断面積」の略称。基本的に筋肉が発揮できる力はPCSAに比例する
【参照:プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

腹横筋の知っ得情報

腰部にかかる負荷と腹横筋の機能不全

地面から重いものを持ち上げる動作は、一般的な筋トレで言えばデッドリフトを代表例として、他にも多くの種目があり、また、日常生活や仕事上でも同じような動作はよく行われていきます。

そしてその際には、全身の筋肉を使って物を持ち上げていくものの、特に大きな力が腰に加わることとなり、実際、体重の25%程度の重量物を持ち上げていく過程では、

第2腰椎に加わる圧迫力を推定すると、体重の約4倍

(参照:筋肉・関節の動きとしくみ事典

かかるとされており、これが腰痛を発生させる大きな原因ともなってしまいます。

そんな時に大切だとされるのが、腹横筋の作用

腹横筋の作用により腹腔内圧(腹圧)が高まった状態になると、腰椎も一緒に圧迫されていくため、腰椎が安定し、結果的に腰椎への負担が減るというもの。

この考えについては実際のところ、肯定派と否定派が存在し、議論が別れるところですが、多くのトレーニーも実際に息を吐きながら腹筋に力を入れてお腹をへこませることで、リフティング時の腰痛への負担が減ると感じているため、無視できない作用だと思います。

また、このような腹横筋の作用から、腹横筋が収縮すると、

コルセットでお腹を締めるように腹腔が狭まり、体幹をしっかりと固定

(参照:運動に関わる筋肉のしくみとトレーニング法

することになり、これが腹横筋がコルセットのような筋肉であると言われる所以になります。

逆に言えば、この腹横筋が機能不全を起こした場合、腰痛のリスクが高まる可能性があり、腹横筋を筋トレしたりしてケアしておくことも必要になってくる場合があると言えそうですね。

腹横筋は胴体を横に倒したり捻ったりする筋肉ではない

腹横筋は胴体の横に存在している筋肉で、見た目的にもそれなりの面積を占めている筋肉なため、体幹(胴体)を横に倒したり、捻ったりする動作に作用する筋肉であると思われがち。

しかし、上でも軽く触れた通り、この筋肉自体は脊柱の動きには関与していないため、体幹のの動作にはほとんど関与・貢献することのない筋肉になります。

基本的には横隔膜と共に腹式呼吸に大きな作用を持つ筋肉であり、トレーニングしていく際には、腹式呼吸をベースとした鍛え方や、姿勢を伸ばすことによって、呼吸をすると腹横筋が大きく動きやすい体勢を作って上げることが効果的な方法になってきます。

ちなみに参考までに、体幹の動作に関与する主な筋肉は以下の通り。

  • 体幹の屈曲(脊柱を曲げて胴体を丸める動作)
    • 腹直筋
    • 外腹斜筋
    • 内腹斜筋
  • 体幹の伸展(脊柱をそらして胴体を伸ばす動作)
    • 脊柱起立筋
    • 腰方形筋
    • 半棘筋
    • 多裂筋
  • 体幹の側屈(脊柱を横に曲げて胴体を倒す動作)
    • 外腹斜筋
    • 内腹斜筋
    • 腰方形筋
    • 脊柱起立筋
  • 体幹の回旋(脊柱を回転軸に胴体を捻る動作)
    • 内腹斜筋
    • 外腹斜筋
    • 脊柱起立筋
    • 回旋筋

体幹の動作にはあまり関与しないが体幹を守るためには大切

腹横筋は見てきた通り、体幹を動かすためにはそこまで重要な筋肉ではないかもしれませんが、実は呼吸以外にも重要な作用をもう一つ持っていたりします。

それは、腹横筋が位置している場所が大きな理由。つまり、腹腔の外側を取り巻くように位置しているっていう点。

腹腔(骨盤と肋骨の間のスペース)には、人間が生きていくために大切な消化器系の臓器(胃や腸など)が多く存在しており、腹横筋はその臓器を守るための最も深層にある防波堤のような筋肉。

さらに、脊柱起立筋や骨盤底筋群とともに、腹腔内の臓器が下垂(下に下がってしまうこと)してしまうのを防ぎながら、これら大切な臓器がしっかりと機能するように支えているといった作用もあり、表向きの体幹の動作にはあまり関与しないものの、生命維持にはとても重要な筋肉になります。

また同時に、腹横筋が正常に働き体幹を安定させることは、正しい姿勢を維持するためにも有効であるため、美しい姿勢を作っていくためにも影響のある筋肉だと言えます。

腹横筋のストレッチ

腹横筋の作用や特徴について見てきましたが、ここで腹横筋に効果があるとされるストレッチ方法を見ていきましょう。

腹横筋は、個別にストレッチを行うのが難しい筋肉になるため、紹介するのは他にも多くの筋肉(腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋、腸腰筋など)をストレッチしながら、同時に腹横筋までも伸ばしていく効果があるとされる方法です。

他の筋肉と一緒に腹横筋をストレッチ!

  1. うつ伏せの状態になり、左右の手を肩の下へ置きます
  2. 両腕を伸ばして、上体を反らしながら起こしていきます
    1. 腰はしっかりと地面へつけておきましょう
    2. 顔は前を向くようにしていきます
  3. 右腕を曲げながら左肩を斜め下(地面の方)へ動かして上体を捻っていきます
    1. この状態を20秒間維持し、腹横筋やその他の筋肉をストレッチしていきましょう
  4. 逆側も同じように繰り返していきます

腹横筋の筋トレにおすすめの鍛え方・トレーニング方法

腹横筋も筋トレしておくことで、普段の生活の中で腰痛になるリスクを抑えたり、重いものを持つ時に掛かってしまう腰への負担を軽減出来たり、他にもより深い呼吸が可能になったりと、トレーニングしておくメリットはあります。

他の筋肉と同じように、有効な鍛え方やトレーニング方法を覚えておき、普段の筋トレメニューの中に加えてみたり、その他の筋肉のトレーニングとは関係なく腹横筋を筋トレしておくと良いかと思います。

しかし、腹横筋は体幹の動作にほとんど貢献していないことから、他の筋トレのように体幹を動かすような動作を通して集中して鍛えていくのはなかなか難しい。

そのため、主に腹圧を高める呼吸を意識的に行っていくようなトレーニングを通して、腹横筋を鍛えていくことになります。

腹横筋の筋トレとしておすすめな鍛え方やトレーニング方法をいくつか紹介しておきましょう。

腹横筋の鍛え方① ドローイン

実演はボディメイクで有名なShieca(シエカ)さん

ドローインは呼吸を通して腹横筋をメインのターゲット筋肉として鍛えることが出来る、おすすめのトレーニング方法。

繰り返し行っていくことで、腹横筋を意識しながら使えるようになり、腹横筋の鍛え方としては唯一無二の筋トレ種目であると言えるかもしれません。

  1. 直立して胸を張って背筋を伸ばし、姿勢を正します
    1. 初めて行う場合などは、お腹に手を当てながら行うと、腹圧をかける動きを理解出来、意識しやすくなります
  2. 胸を張ったままゆっくりと息を吐きながら、下腹部からお腹を凹ませていきます
    1. この状態を20~30秒キープしましょう
    2. 胸を張ることで胸郭が広がるため、お腹を凹ませやすくします

このドローインは座って行ったり、仰向けになった状態でも可能な腹横筋の鍛え方なので、テレビを見ながらや、寝起きなどに行っていくと、隙間時間を有効活用しながらトレーニングしていくことが可能です。

腹横筋の鍛え方② プランクホールドブリーズアウト

体幹トレーニングで有名なプランクの真っ直ぐな姿勢を維持しながら、息を吐いていくことで、自ずと腹圧が高まるように腹横筋が収縮し、鍛えていくことが可能なトレーニング方法。

腹横筋だけでなく、他の体幹の筋肉も同時に鍛えたい場合などにおすすめな筋トレだと思います。

  1. 床にうつ伏せになり、肘とつまさきを床につけます
  2. 体を床から離してプランクの体勢をつくります
  3. その状態を維持したまま息をゆっくりと吐きながらお腹を凹ませていきます
    1. この時、姿勢は必ず真っ直ぐになっているようにしましょう
  4. 20~30秒維持したら、ゆっくりと体を床に下ろしていきます
  5. その後、再度繰り返していきましょう

ドローインについての本だって

次の筋肉・筋トレ記事も一緒にどうぞ!

腹横筋とは?鍛え方やトレーニング方法が特徴的!筋トレやストレッチに作用を知っておきたい呼吸筋のまとめ

呼吸筋の中でも息を吐く時の主力筋として大切で、他にも腰痛のリスクを下げるために大切な腹筋の一つである腹横筋について見てきました。

腹横筋は他の筋肉と違い、関節を動かすような動作にはあまり貢献することがない筋肉。しかし、綺麗な姿勢を作ったり、内臓を守ったりするためには大切な筋肉。

そんな、ちょっと変わった特徴や作用を覚えておきながら、紹介した腹横筋の鍛え方やストレッチに取り組んで、ケアしておくと良さそうですね!

ぴろっきーでした!

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