足首をストレッチで柔らかくすることは、スクワットの効果を最大限に引き出していくためにも大切です。その理由から取り入れてみたいストレッチ方法の例をまでを紹介していきます。
足首をストレッチで柔らかくすることは、スクワットを深く行えない人こそ取り組んでいくべきことかもしれません。
スクワットに取り組み始めたのはいいけど、
- 「なぜか深く腰を下ろせない」
- 「深く腰を下ろすとバランスを安定させられない」
といった問題にぶつかる場合、それは足首の柔軟性に問題があるからかもしれません。
スクワットは筋トレの王様とも呼ばれるほど、筋肉増強から体脂肪燃焼にまで直接的または関節的に優れた効果を持つトレーニング。
しかし、その効果を出していくためには、深くしゃがんでいくことが一つのポイントになります。
今回は、足首をストレッチで柔らかくすることが、なぜスクワットに良いのかを確認していき、その後に足首が硬くなる原因を探りながら、その原因を解消するためのストレッチエクササイズの具体例までを紹介していきます。
足首を柔らかくすることがスクワットに大切な理由
スクワットを効果的に取り組んでいけるようにするためにも大切な、足首のストレッチ方法の具体例を見ていく前に、まずは、足首を柔らかくすることがスクワットに大切な理由を確認していきましょう。
スクワットと言えば、その動作の中で主にお尻の大臀筋、太ももの大腿四頭筋、そしてハムストリングを鍛えるトレーニングになるため、その主だった関節動作として、
- 股関節伸展
- 大臀筋とハムストリングが中心に作用する
- 膝関節伸展
- 大腿四頭筋が中心に作用する
の二つが注目されることになりますが、しゃがんでいく際には膝が前方へ動いていくことで、足関節(足首)が背屈(つま先が上方に動くように足首を反らす)する必要性が出てきます。
そのため、スクワットの動作中に決して大きな力を出すわけではないものの、しゃがんでいく際に自然と重心をコントロールしていくためにも、足首には背屈方向へある程度の柔軟性が求められることになります。
逆に、背屈方向の動作において足首の柔軟性が不足していくると、動きが制限されてしまい、十分に腰を下ろしていけなくなった結果、スクワットで鍛えられる筋肉群へ思ったほど大きな負荷をかけられず、スクワットの効果を最大限に引き出していけなくなってしまいます。
足首が硬くなる原因とは?
では一体、この足首の柔軟性が下がってしまう原因とは、どのようなものが考えられるのでしょうか?
この点については、特定の動作に対してブレーキのように働く、拮抗筋の作用を考えていくと分かりやくなります。
拮抗筋は通常、その可動性に問題がなければ、反対側の動きを起こしても動作を邪魔することはほとんどありません。
しかし、拮抗筋が何かしらの理由で短縮したまま硬くなると、反対側の動きを起こそうとした際に、硬くなった拮抗筋が逆方向へ引っ張り続けることになり、動作を深く起こせずに可動域が制限されてしまうことになります。
そして足関節背屈の場合、その拮抗筋として大きな力を持つ、
- ヒラメ筋
- 腓腹筋
の二つが主に緊張したり硬直した結果、足関節背屈の可動性を低下させ、これが足首の柔軟性が下がってしまう大きな要因だと考えられます。
一方、このふくらはぎの筋肉が慢性的に硬直状態に陥ってしまう理由としては、
- 普段からあまり歩くことがなく長時間座りっぱなしの生活を続けている
- 歩くときには長時間足関節底屈位(つま先立ちの状態)になっている
- ハイヒールを履き続けている など
- 常に足首が固定されやすい靴で歩いている
- ブーツなどの足首が固定される靴で歩き続けた場合、足首の動きが制限されるため、筋肉も徐々に硬直していく
といった例を挙げられますが、普段からよく歩いている場合にも、舗装された平らな道では可動域を広げて足首を使う必要がないため、特に都会などに住んでいる人は、どうしても足首が硬くなってしまう傾向にあるとも言えるかと思います。
こうして見ていくと、足関節背屈の動きに拮抗する筋肉の柔軟性が制限されてしまうのは、現代社会で起こりやすい生活が原因となっていることが理解出来ます。
ただし、足首の硬さには、足首周りの骨の歪みも原因になることがあるとされるので、そのことは頭に入れておくと良いかもしれません(参照:土井治療院)。
足首を柔らかくするストレッチ方法
ここからは、足首の柔軟性を制限しているふくらはぎの筋肉の柔軟性を高めて、足首を柔らかくしていく上で効果的なストレッチ方法を見ていきます。
ただし、ここでいう足首を柔らかくするストレッチ方法は、あくまでもスクワットを行う上で重要な、足関節背屈の柔軟性を高めるものに限定して紹介していきます。
また、ふくらはぎの筋肉を伸ばす上では、次のポイントも理解しておくと便利です。
- 脚を真っ直ぐ伸ばしたまま足関節背屈のストレッチをする
- ヒラメ筋と腓腹筋の両方が伸びる
- 膝を曲げて足関節背屈のストレッチをする
- ヒラメ筋が主に伸びる(腓腹筋は脚関節だけでなく膝関節もまたいでおり、膝を曲げた状態だと短縮してしまうから)
足首のストレッチ方法① 立ち居のストレッチ
両足を前後に開いたら、後ろ脚を伸ばしたまま前方へ重心を移動していくことで、後ろ脚のヒラメ筋や腓腹筋を伸ばしていくストレッチ方法。
どこでも簡単に出来るため、足首の背屈動作の可動域を高めたい場合は、非常に利用しやすい方法になります。
- 右脚を後ろに伸ばして左膝を曲げます
- 両足ともつま先は前に向けておきましょう
- 壁などがあれば両手を壁て当てて押すようにし、体を安定させます
- 後ろの足の裏全体を地面につけるようにして、ふくらはぎをストレッチします
- この体勢を数十秒間保ち、左右を交替してストレッチを行なっていきます
足首のストレッチ方法② 座位のストレッチ
床に座ってふくらはぎの筋肉を柔らかくしていくストレッチ方法。
ストレッチしたい方の脚を前方へ伸ばし、足首を掴んだら自分の方へ引き寄せながら体を前傾させていくことで、ふくらはぎの筋肉だけでなく、ハムストリングも含めた脚裏全体をストレッチしていくことが可能。
ただ、スクワットで足首を深く曲げられないほど柔軟性が低い場合は、同時にハムストリングも硬くなってることがほとんどで、このストレッチを行おうとしても、そもそも脚を伸ばした状態でつま先を掴めない人もいるかもしれません。
その場合、立ち居のストレッチから行ったり、座位でやるなら無理してつま先をつかまずに、まずはハムストリングの柔軟性を先に高めていくようにした方がいいかもしれません。
- 地面にあぐらをかくようにして座ります
- 右脚を前に出して伸ばし、左膝は曲げたままにしておきます
- 右足のつま先を手で自分の方へ引き、ストレッチしていきます
- 次は左右を交替してストレッチを行なっていきましょう
足首のストレッチ方法③ タオルを利用したストレッチ
座位で脚を伸ばした状態だと柔軟性に難ありで、つま先を掴めないなどといった場合は、手でつま先を引き寄せるのではなく、代わりにタオルを利用してみるのが良いかもしれません。
このストレッチ方法であれば、股関節を曲げる必要がないため、ハムストリングが硬くても座って脚を伸ばしたままふくらはぎの筋肉を伸ばしていくことが出来ます。
- 両脚を伸ばして座ります
- つま先裏にタオルが来るようにして、そのタオルの両端を握ります
- 背すじを伸ばして、タオルを自分の方へ引っ張っていきます
- 足関節が十分に背屈した位置で止め、ふくらはぎをストレッチしていきます
- 右脚を前に出して伸ばし、左膝は曲げたままにしておきます
足首のストレッチ方法④ 階段を利用したストレッチ
階段やちょっとした段差を利用しながら、足関節背屈の柔軟性を高めていくストレッチ方法。
ふくらはぎの筋肉を伸ばしたい側のつま先を段差に乗せて、段差より下にカカトを動かしていくことで、効果的に足首の背屈方向への柔軟性を高めていくことが出来ます。
公園などへ行った際には、気分転換もかねて階段を利用して取り組んでいくと良さそうです。
- 階段の上に両足を乗せて立ちます
- 両足は同じ段の上に乗せるようにしましょう
- ストレッチしたい方のつま先を段差の端に乗せます
- 端に乗せた足のカカトを段差より低くなるように下げていきます
- ストレッチを感じる位置で維持していき、逆の足でも行います
足首のストレッチ方法⑤ パートナーにお願いしたいストレッチ
一緒にトレーニングやストレッチに付き合ってくれるパートナーがいれば取り入れていきたい、足首のストレッチ方法。
仰向けになったら、ストレッチする方の膝を曲げたままパートナーへ足関節背屈方向へ押してもらい、ふくらはぎの筋肉の中でも特にヒラメ筋をストレッチしていきます。
- 仰向けになります
- ストレッチする方の膝を曲げます
- パートナーに膝と足裏を抑えてもらい足裏を背屈方向へ押してもらいます
- 一定時間維持してふくらはぎをストレッチしたら逆側でも行います
足首のストレッチ方法⑥ ハーフニーリング・アンクル・モビライゼーション
片側を膝立ちの状態にしたら、両手をその膝へ置いて前方へ体重を掛けていき、足首を深い背屈位にしていくストレッチ方法。
主にヒラメ筋を柔らかくする上で効果的です。
また、他の筋肉の柔軟性を気にする必要がないため、意識を足首のストレッチに集中しやすいのも特徴。
床の上でそのまま行っても良いですが、足首を柔らかくする効果を高めるために、下の動画のように、プレートなどで少し段差を作って行ってみるのも良さそうです。
- 両足を前後に開いたら腰を落としていきます
- 後ろの膝は床に付くようにして体を支え、前の膝は90度に曲げましょう
- 必要であれば前足のつま先をプレートの上に置きます
- 両手を前の膝へ置きます
- ゆっくりと体重を掛けて、前の膝を前方へ動かしていきましょう
- ストレッチを感じるところで数秒維持します
- その後、一度戻し、再度繰り返していきます
- 10回程度繰り返していきましょう
足首のストレッチ方法⑦ ゴブレットスクワットを利用したストレッチ
スクワットのために足首を柔らかくする方法として、スクワットの一種であるゴブレットスクワットを応用して取り組んでいくのも効果的でおすすめな方法。
両手でケトルベルやダンベルなどを胸の前に抱えたら腰を深く下ろしていき、その体勢を維持しながら片側へ体重を掛け、そのまま円を描くように足首を動かしていきます。
結果、重心を掛けた側の足関節が背屈してストレッチすることになる上、実際のスクワット動作の中で足首を柔らかくしていけるため、実践でのコツを掴みやすいメリットもあります。
- ケトルベルを胸の前に抱えたら、足を肩幅よりやや広めに開いて立ちます
- 背中をまっすぐに維持したまま、深くしゃがんでいきます
- 太もも裏がふくらはぎにくっつく程度(実際にはくっつかなくてもOK)まで腰を下ろしていきましょう
- 両肘は膝の内側にくるようにします
- 片側へ重心を掛けていき、足首を左右に円を描くように動かしていきます
- その後、逆側でも同じように行っていきます
足首を柔らかくするために筋膜リリースにも取り組んでみよう!
スクワットの効果を最大化するためにも、足関節背屈の可動域を広げるストレッチ方法を見てきましたが、他にも筋膜リリースを取り入れていくのが良いかもしれません。
筋膜とは筋肉を覆っている膜で、筋肉が強張ったままになる原因の一つとして、この筋膜が硬くなってしまっていることが挙げられます。
そこで、足関節背屈の柔軟性を制限している硬くなったふくらはぎをほぐすためにも、可能であればフォームローラーなどを利用して、以下のような筋膜リリースも利用してみましょう。
- 床に座って両脚を伸ばして座ります
- ふくらはぎの下へフォームローラーを置きます
- フォームローラーがない場合は、代わりにテニスボールやウェイトを装着したバーベルを利用していくなど工夫していきましょう
- ふくらはぎの強張りや痛みを感じる場所が見つかるまで動かしていきます
- この時フォームローラーへ、ふくらはぎの重さがしっかりと乗るようにしておきましょう
- 強張りや痛みが見つかったらそこを中心にローラーを転がしていきます
- 以上を必要な時間続けていきましょう
次の筋トレ記事もおすすめ!
- 下半身を鍛えるなら7種類のスクワットを脚トレに加えよう!
- コサックスクワットの効果とやり方|下半身の筋トレとしてもウォームアップとしても。
- スクワットで太ももの大腿四頭筋を強調するには?効果的な筋トレ種目も紹介!
足首をストレッチで柔らかくすることがスクワットに大切な理由|効果的なストレッチ方法も紹介!のまとめ
足首を柔らかくしておくことがスクワットに大切な理由から、効果的なトレーニング方法の例までを紹介してきました。
スクワット中に深く腰を下ろせない人などは、スクワット効果を最大化していくためにも、参考にしてみると良さそうです!
筋トレキャンプでした!