表情筋と咀嚼筋|顔の筋肉と頭の筋肉の理解しよう!





表情筋と咀嚼筋について画像付きで詳しく解説していきます。顔の筋肉と頭の筋肉についてはほとんど知らないと思うので、筋肉に興味があれば詳しく確認していきましょう。

表情筋と咀嚼筋について知っていますか?

この二つの筋肉群は、顔の表情を作ったり、咀嚼(噛む動作)にそれぞれ関わる筋肉であり、日頃の生活の中でとても身近に関与している筋肉。

しかし、いわゆる筋トレなどで鍛える筋肉とは違うため、表情筋や咀嚼筋という言葉を知っていたとしても、具体的にどのような筋肉が存在するのかまでは詳しく知らないかと思います。

そこで今回は、骨格筋の中でも顔と頭に位置する筋肉、表情筋と咀嚼筋をそれぞれ詳しく紹介していきます。

頭部の筋肉について(表情筋と咀嚼筋の分類分け)

顔の筋肉や頭の筋肉について考えていく場合に知っておきたいのが、頭部の筋肉は大きく二つのカテゴリーに分類出来るということ。

その分類とは、「表情筋群(以下、表情筋)」と呼ばれる、いわゆる表情を作る筋肉群と、「咀嚼筋群(以下、咀嚼筋)と呼ばれる、主に下顎を動かす筋肉群。

そして、この表情筋と咀嚼筋は、それぞれ次のような共通した特徴を持っています。

  • 表情筋
    • 表情を作る作用を持っている
    • 顔面神経に支配されている
    • 頭蓋骨の表面から起始する(なかには筋膜から起始ものもある)
    • 皮膚に停止する
      • その他の骨格筋とは違って骨を骨をつないでいないため、皮筋(ひきん)と呼ばれる
  • 咀嚼筋
    • 下顎(下顎骨)の運動に関与する
    • 三叉神経(さんさしんけい)またはその第三枝に支配されている
    • 顔の側方部分に位置する
      • 細かく分けると側頭部と顔面頰部に分けられる

以上の、簡単な頭部の筋肉の分け方を理解した上で、早速、表情筋と咀嚼筋とはどのような筋肉が含まれているのかを、それぞれ詳しく見ていきましょう。

表情筋に含まれる筋肉の紹介

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表情筋は「顔の筋肉」とも言い換えることが出来る筋肉で、そこには「頭の筋肉」とも呼べるものもいくつか含まれます。

また、喜怒哀楽の表情を作るため、多くの細かい筋肉が存在し、それぞれが連携して働くことで、微妙な表情の変化を作っていくことになります。

そして、常に連携しながら繊細な表情を作っていくためにも、いくつもの筋肉が重なり合うようにして存在していたり、隣接する筋肉が起始または停止部において合わさっている場合もあり、はっきりとした区別をするのが難しい筋肉群であるというのも特徴です。

ここでは、その表情筋に含まれる主だった筋肉を、上図の通り16個それぞれ簡単に紹介していきます。

ただし、上図にある「※」がついた筋肉に関しては、咀嚼筋に含まれるものになるため、後ほど咀嚼筋の紹介の中で触れていくこととします。

表情筋1)雛眉筋(すうびきん)

雛眉筋は、小さくて狭く、眉の少し深層にある筋肉。眉を内側や下側へ引き寄せることで、眉間の縦じわを作る作用がある。

そのため、不快感や苦痛を表現する際に働く筋肉としても考えることが出来るもの。

英語ではCorrugator supercilii muscleとなる。

表情筋2)前頭筋(ぜんとうきん)

前頭筋は、頭蓋骨前頭部に位置する薄い筋肉。眉周辺の皮膚を上にひっぱることで、額の横ジワを作ったり、眉毛を上に動かす作用を持っている。

特に、上を見上げる場合などに、この前頭筋が一緒に働きやすい。

英語では、Frontalis muscleとなる。

表情筋3)鼻根筋(びこんきん)

鼻根筋は、ちょうど眉間の下あたりに位置する筋肉。鼻根つまり眉間に横ジワをつくる作用を持っている。

眉間に横ジワを作ることで、鼻根筋は怒りを表す表情に貢献していると考えることが出来る。

英語では、Procerus muscleとなる。

表情筋4)眼輪筋(がんりんきん)

眼輪筋は、その名前からも想像出来る通り、眼の周りを輪っかのように囲んで位置する筋肉。

上下のまぶたを引き寄せることで、眼を閉じる役割を持っており、その役割を担っている唯一の筋肉であるとも考えられている。

英語では、Orbicularis oculi muscleである。

表情筋5)上唇挙筋(じょうしんきょきん)

上唇挙筋は、眼の下を縦に走行する薄い、やや深層に位置する筋肉。停止部が上唇(うわくちびる)へ伸びているため、収縮することで上唇を引き上げることが出来る。

小頰骨筋と大頰骨筋と協力して、上唇の引き上げに関与する。

英語では、Levator labii superioris muscleとなる。

表情筋6)小頰骨筋(しょうきょうこつきん)

眼の下外側から上唇の外側に掛けて斜めに走行する筋肉。上唇を引き上げる作用を持っているため、上唇挙筋や大頰骨筋と共に働く。

また、口を多少外側へも引くことになるため、笑顔を作る際に、大頰骨筋と笑筋と共に貢献していく特徴も持つ。

英語では、Zygomaticus minor muscleとなる。

表情筋7)大頰骨筋(だいきょうこつきん)

眼の下外側から上唇外側に掛けて斜めに走行する小頰骨筋の外側を、並走するように走る筋肉。

小頰骨筋と比べて、より上唇の外側寄りに停止するため、口角(こうかく:上唇と下唇の接合部)を上と外側へ引き寄せる働きを持つ。

そのため、上唇を上げる動作では、上唇挙筋と小頰骨筋と一緒に、そして口角を広げて笑顔を作る際には、小頰骨筋と笑筋と一緒になって貢献していくという特徴がある。

英語では、Zygomaticus major muscleとなる。

表情筋8)笑筋(しょうきん)

頰の下側から口角まで伸びる細い筋肉。口角から横に伸びていることから、口角を外側に引き寄せる作用を持っている。

小頰骨筋と大頰骨筋と共に、笑顔を作る際に貢献する表情筋の一つ。

英語では、Risoriusとなる。

表情筋9)広頸筋(こうけいきん)

広頸筋は、下顎骨(かがくこつ)に繋がるものの、その大部分が頸部に位置しており、胸部上部まで伸びる筋肉。

ただし、頸部に位置するといっても、骨ではなく皮膚直下の筋膜に付着していることから、表情筋の共通点である皮筋という点では変わらない。

主に、口角を下方に引く働きを持つため、憂鬱だったり恐怖を表現する表情などに貢献していると言える。

また、広頸筋全体が収縮すると、首前面に縦じわを作ることにもなる。

英語では、Platysma muscleとなる。

表情筋10)下唇下制筋(かしんかせいきん)

下唇下制筋は、下唇外側に位置する筋肉。下唇を下側や外側に引き下げる作用を持つ表情筋である。

その作用から、ムッとした表情を作る際に貢献していると言える。

英語では、Depressor labii inferioris muscleとなる。

表情筋11)口角下制筋(こうかくかせいきん)

口角下制筋は、口角の側方下寄りから顎の下側までを走行する筋肉。口角を下側へ引き下げる作用を持っている表情筋。

そのため、顔をしかめる際などに貢献する筋肉であるとも言える。

英語では、Depressor anguli oris muscleとなる。

表情筋12)上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)

鼻の両脇を鼻筋に掛けて走行し、上唇の中央寄り上部にまで伸びる筋肉。鼻翼(鼻の先の左右両端の部分)と、上唇を引き上げる作用を持つ。

そのため、歯をむき出してうなるような表情をする際に働く筋肉であり、世界的にも有名な故エルビス・プレスリーが得意としていた表情であることから、エルビス筋(The Elvis muscle)としても知られている。

また、英語では、Levator labii superioris alaeque nasi muscleとなり、これは人間も含めた動物の筋肉名称としては最も長い名前である。

表情筋13)頬筋(きょうきん)

頰の中程から口角まで伸びる薄く広がる筋肉。口角へほぼ平行に伸びていることから、口角を外側に引き寄せる作用や、頬を歯の方へ引き寄せる(押し付ける)作用を持っている。

そのため、口を閉じた状態で唇を横に広げたり、噛む動作の最中に頬を歯へ近づけておいたり、口笛を吹いたり、また作り笑いを浮かべる時にも貢献している表情筋。

英語では、Buccinator muscleとなる。

表情筋14)鼻筋(びきん)

(上は横部 “鼻孔圧迫筋”)

鼻の周囲に位置する薄く小さな筋肉。鼻の穴を縮めたり広げたりする作用を持っている。

(上は翼部 “鼻孔開大筋”)

この表情筋は、二つの部位に別れており、鼻の付け根下部から鼻の中間あたりを横切って反対の付け根下部まで伸びる「横部(鼻孔圧迫筋)」と、鼻翼(鼻の左右の膨らみ)の付け根に位置する「翼部(鼻孔開大筋)」が存在する。

英語では、Nasalis muscleとなる。

表情筋15)口輪筋(こうりんきん)

口の周囲にある筋肉。ただし、一つの筋肉が口の周りを囲んでいるのではなく、複数の異なる起始から始まる筋肉が複雑に織り合わされたような複合体であると現在は考えられている。

上下の唇を引き寄せ、唇を尖らせたり、口を閉じるというのが主な作用。

英語では、Orbicularis oris muscleとなる。

表情筋16)オトガイ筋

オトガイ筋は、下唇の中央を隔てて左右から下顎の中央(オトガイ部:下顎の先端部分)まで伸びる、ペアになった筋肉。

収縮することによって、顎の皮膚を含めた軟部組織を内側上方へ動かす作用を持っている。

いわゆる梅干しのようなシワをアゴに作る際に、貢献している表情筋である。

英語では、Mentalisとなる。

咀嚼筋(そしゃくきん)に含まれる筋肉の紹介

咀嚼筋は、摂取した食物を歯で噛んだり、粉砕する動作に主に関与する筋肉群のこと。また、別名、深頭筋ともよばれる筋肉群。

それぞれの筋肉は、骨に始まり骨に終わるため、表情筋とは違い皮筋ではありません。

咀嚼運動を考えた場合は、7つほどの筋肉が関与してくることになりますが、ここではその中でも主だった4つの筋肉に関して詳しく見ていくこととします。

咀嚼筋1)側頭筋(そくとうきん)

側頭筋は、その名の通り側頭部に位置する筋肉。

下顎の骨(下顎骨:かがくこつ)を強力に挙上する(歯を噛み合わせる)ことで、咀嚼時に硬いものを潰していくなどといった動作に大きく貢献する。

さらに、下顎骨を後方へ動かす際にも働く。

咀嚼動作以外にも、通常の会話において口を動かしたり、大きな力を出す時に歯を食いしばるといった作用も持っている。

ちなみに、強く噛みしめる場合に、こめかみあたりが動くのは、この側頭筋の動き。

英語名はTemporalis muscle。

  • 支配神経
    • 三叉神経の第三枝(下顎神経)
  • 主な働き
    • 下顎骨の挙上
    • 下顎骨の後方移動
  • 起始
    • 側頭窩、側頭筋膜
  • 停止
    • 下顎骨の筋突起

咀嚼筋2)咬筋(こうきん)

咬筋は、顔面頬部にある咀嚼筋の一つで、その中では最も表層に位置している筋肉。アゴの両端に位置している。

(上は咬筋浅部)

ただし、咬筋自体も浅部と深部に分かれ、重なり合うようにして一つの筋肉を構成しているのが特徴。

(上は咬筋深部)

主な働きは、下顎骨の挙上であるため側頭筋や内側翼突筋と一緒に、下顎を閉じて口に入れたものを噛み砕くといった動作に働く。

歯を食いしばった際に、頬の両端が膨れるのは、この咬筋が収縮したため。

英語名はMasseter muscle。

  • 支配神経
    • 三叉神経の第三枝(下顎神経)
  • 主な働き
    • 下顎骨の挙上
  • 起始
    • 浅部:頬骨弓の前部〜中部
    • 深部:下顎骨の下縁の後方1/3、頬骨弓の中部〜後部、さらに側頭部まで
  • 停止
    • 下顎角の外面(咬筋粗面)

咀嚼筋3)内側翼突筋(ないそくよくとつきん)

下顎骨の端(頬の部分)の内側(裏側)に位置し、表から確認できないため深層部に位置する筋肉。

(出典:wikipedia:Medial pterygoid muscle

下顎骨の挙上を行って噛む働きと同時に、顎を前に出す(下顎骨の前方移動)働きも持つのが特徴。

そのため、ものを噛み砕くだけではなく、咀嚼筋の一つである外側翼突筋と一緒に、ものを口内ですりつぶす動きにも貢献する。

また、口を開けたまま、口を横に動かすなどといった場合も、この内側翼突筋が作用していることになる。

英語名はMedial pterygoid muscle。

  • 支配神経
    • 三叉神経(下顎枝の内側翼突筋神経)
  • 主な働き
    • 下顎骨の挙上
    • 下顎骨の前方移動
    • 顎を左右に動かす(片側だけを働かせると)
  • 起始
    • 蝶形骨の翼状突起の外側板の中間面上部、上顎結節、口蓋骨の錘体突起
  • 停止
    • 下顎角内面の翼突筋粗面

咀嚼筋4)外側翼突筋(がいそくよくとつきん)

外側翼突筋は、頬骨の内側(裏側)に位置し、側頭筋の一部に覆われているため、表からは確認できない深層筋。

(出典:wikipedia:Lateral pterygoid muscle

上部と下部の二つに分かれているのが特徴で、上部は口を開ける働きを、下部は基本的には顎を前に出す働きを持っている。

また、顎を左右に動かす働きも持つため、内側翼突筋と交互に働くことで、口に入れた物をすりつぶす作用も持つ。

口を開けたまま、口を横に動かすなどといった場合は、この外側翼突筋も作用していることになる。

英語名はLateral pterygoid muscle。

  • 支配神経
    • 三叉神経(下顎枝の外側翼突筋神経)
  • 主な働き
    • 両側を働かせることで下顎が前方に移動して口が開く
    • 顎を左右に動かす(片側だけを働かせると)
  • 起始
    • 上部:蝶形骨大翼の側頭下面と側頭部下稜
    • 下部:蝶形骨の翼状突起の外側板外面
  • 停止
    • 下顎骨の関節突起
    • 顎関節の関節円板と線維性被膜

 

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表情筋と咀嚼筋|顔の筋肉と頭の筋肉の理解しよう!のまとめ

表情筋と咀嚼筋についてまとめてきました。

顔の筋肉や頭の筋肉について触れることは少ないと思うので、これを機会に知識を増やしておきましょう!

筋トレキャンプでした!

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