臀筋群(臀部の筋肉)の種類から筋トレ種目まで|お尻の筋肉について学んでいこう!

臀筋群(臀部の筋肉)について、含まれる筋肉の種類から、それぞれがどのような作用や特徴を持つのかを確認し、そこから分かったことを元にして効果的な筋トレ種目までを見ていきましょう。

臀筋群(臀部の筋肉)について見ていきましょう。

お尻を形成する筋肉であるいわゆる臀筋には、いくつかの種類が存在していますが、具体的にどのような筋肉があり、それぞれがどのような作用や特徴を持っているか知っていますか?

臀筋群は人体でも非常に大きなパワーを発揮し、また、立ち位での動きを安定させるためにもとても大切で、これら臀部の筋肉について理解を深めておくことは、筋トレのみならず普段の生活の質を上げるためにも役に立ってくるかもしれません。

そこで今回は臀筋群について、構造からそれぞれの特徴や作用、そして、強化するためにも有効な筋トレ種目の参考例までを紹介していこうと思います。

臀筋群とは?

臀筋群とは「臀部を構成する筋肉のグループ」のこと。

そこには大臀筋、中臀筋、小臀筋の3つの筋肉が存在し、これら3つの筋肉は、骨盤の腸骨と仙骨から起こり、太ももの大腿骨上部で停止するという共通点を持っています。

臀部を構成する臀筋群の構造と種類

臀筋群の中でも大臀筋は、その名前からもわかる通り3つの中では最も大きな筋肉であり、左右の骨盤全体を覆うように位置する表層部にある筋肉で、お尻の形の形成はこの大臀筋がとても大きく関与しています。

一方、中臀筋は2番目に大きな筋肉となり、幅広で厚く、放射状に広がって骨盤の外側上部に位置しており、後方部分のおよそ1/3程度は大臀筋に覆われているため、臀筋群としてはやや深層に位置する筋肉となりますが、大臀筋に覆われていない残りの部分は表層からもその形が確認出来ることになります。

そして最後に小臀筋は、3つの臀筋群の中では最も小さく、中臀筋と同じように骨盤の外側上部に位置していますが、中臀筋と大臀筋に全てが覆われていることもあり、表面からはその形を確認することが出来ない、臀部の最深部に位置する深層筋になります。

以上のことを踏まえると、臀筋群の構造は次のようにまとめることが出来ます。

  1. 第一階層大臀筋
    1. 骨盤の左右全体を覆う大きな筋肉で表層から形を確認出来る
  2. 第二階層中臀筋
    1. 骨盤外側上部に位置する
    2. 一部は大臀筋に覆われているが残りの部位は外からでも形を確認出来る
  3. 第三階層小臀筋
    1. 骨盤外側上部に位置する
    2. 全体が中臀筋と大臀筋に覆われているため外からは確認出来ない

臀筋群に含まれる各筋肉の種類をさらに詳しくチェック!

臀筋群の全体としての構造についてはある程度理解出来たかと思いますが、次に臀筋群に含まれる3つの筋肉について、より詳しく確認していきましょう。

臀筋群の種類① 大臀筋

臀筋群の中では最大の体積(864㎤)を誇る大臀筋は、お尻を形成する筋肉であると同時に、非常に強い力を発揮し、股関節で起こる様々な動作に大きく貢献している筋肉。

単一の筋肉ではありますが、実は停止部(骨につながる筋肉の両端の中でも体の中心とは逆側)の位置によって、上側と下側に分けることが出来、この二つが同時に働くこともあれば、上側または下側が主に働く動作もあります。

その、大臀筋の主だった働きを具体的に見ていくと次の通り。

  • 股関節伸展
    • 付け根から太ももを後方へ動かす
    • 全体が作用する
  • 股関節外旋
    • 太ももを回転軸にして、脚を付け根から外向きに回旋する(捻る)
    • 全体が作用する
  • 股関節外転
    • 太ももを付け根から外側に開く(動かす)
    • 上側が作用する
  • 股関節内転
    • 開いた太ももを付け根から内側に閉じる
    • 下側が作用する

この4つのなかでも「股関節伸展」と「股関節外旋」に関しては、大臀筋が主力筋(ある動作に対して最も強く貢献する筋肉)であり、特に股関節伸展は非常に大きな重量を扱える力を発揮するため、大臀筋を筋トレで鍛える際などは、主に「股関節伸展」の作用を中心に考えていくのが効果的になってきます。

また、それ以外の大臀筋の特徴は以下の通りです。

筋肉データ 大殿筋のまとめ
筋群 股関節伸展筋
支配神経 下殿神経(L5~S2)
起始 浅部:腸骨綾、上後腸骨棘、仙骨、尾骨/深部:腸骨翼の殿筋面、仙結節靭帯
停止 上側:大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯に移行/下側:大腿骨の殿筋粗面
筋体積 864㎤
PCSA(注1) 59.6㎤
筋線維長 14.5cm
速筋:遅筋 (%) 47.6:52.4
(注1)「生理学的筋横断面積」の略称。基本的に筋肉が発揮できる力はPCSAに比例する
【参照:プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

臀筋群の種類② 中臀筋

中臀筋は先述したように、大部分が大臀筋に覆われているものの、一部が表層からも確認出来る骨盤外側上部に位置する筋肉。

表層から確認出来る部分は、特に大臀筋のさらに上に位置するため、ヒップアップをしたい場合、その外側トップの形を整えたり、キュッと上げたりするためにも大切な筋肉になります。

また、骨盤を支える働きも持っており、例えば歩行中や片足立ちになった時などは、骨盤が落ちてしまわないように維持し、体全体のバランスの安定感を担う重要な働きをしています。

ちなみに、この中臀筋も細かく見ていくと、中臀筋全体として働く股関節の動きもあれば、前部または後部のどちらかが主に働く動きも存在します。

その、中臀筋が関与する股関節の動きとは、具体的に次のようなものです。

  • 股関節外転
    • 太ももを付け根から外側に開く(動かす)
    • 全体が作用する
  • 股関節内旋
    • 太ももを回転軸にして、脚を付け根から内向きに回旋する(捻る)
    • 前部が作用する
  • 股関節屈曲
    • 付け根から太ももを前方へ動かす
    • 前部が作用する
  • 股関節外旋
    • 太ももを回転軸いして、脚を付け根から外向きに回旋する(捻る)
    • 後部が作用する
  • 股関節伸展
    • 付け根から太ももを後方へ動かす
    • 後部が作用する

なかでも、股関節外転は中臀筋全体が関与して主力筋として働くため、筋トレで中臀筋を鍛えていく場合は、この股関節外転の動作を起こしたり、股関節外転の力が必要になるトレーニングに取り組んでいくことが効果的になってきます。

それ以外の中臀筋の特徴は以下の通りです。

筋肉データ 中殿筋のまとめ
筋群 股関節外転筋
支配神経 上殿神経(L4~S1)
起始 腸骨翼の臀筋面(前臀筋線と後臀筋線の間)、腸骨綾の外唇、臀筋腱膜
停止 大腿骨の大転子の尖端と外側面
筋体積 411㎤
PCSA(注1) 60.4㎤
筋線維長 6.8cm
速筋:遅筋 (%) 50.0:50.0
(注1)「生理学的筋横断面積」の略称。基本的に筋肉が発揮できる力はPCSAに比例する
【参照:プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

臀筋群の種類③ 小臀筋

臀筋群の中では最小の体積を持ち、臀部の深層筋として中臀筋と大臀筋に覆われている小臀筋は、中臀筋と同じ股関節外転筋群に含まれるため、基本的には中臀筋を補助するように働く筋肉と考えておくのが分かりやすい。

例えば、中臀筋と同じように片足立ちの時に骨盤が落ちないように安定させる働きを持っていたり、サイドステップのような股関節外転動作が起こる際には、中臀筋と共に働くことになります。

ただし、中臀筋ほどの体積もなく大きな筋肉ではないため、その貢献度は限られ、また、中臀筋のように多くの股関節動作に関わることもなく、主な動作としては次の二つのみを挙げることが出来ます。

  • 股関節外転
    • 太ももを付け根から外側に開く(動かす)
    • 全体が作用する
  • 股関節内旋(わずかに)
    • 太ももを回転軸いして、脚を付け根から内向きに回旋する(捻る)
    • 前部が作用する

どちらの動作においても、そこまで大きな力は出しませんが、小臀筋全体が作用する動作が股関節外転であるため、この臀部の筋肉を鍛えていく際には、基本的に股間外転の動作を軸にトレーニングを考えていくのが効果的になります。

それ以外の小臀筋の特徴は以下の通りです。

筋肉データ 小殿筋のまとめ
筋群 股関節外転筋
支配神経 上殿神経(L4~S1)
起始 腸骨翼の臀筋面(前臀筋線と下臀筋線の間)
停止 大腿骨の大転子の前面
筋体積 138㎤
PCSA(注1) 25.6㎤
筋線維長 5.4cm
速筋:遅筋 (%) 50.0:50.0
(注1)「生理学的筋横断面積」の略称。基本的に筋肉が発揮できる力はPCSAに比例する
【参照:プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

臀筋群の筋トレを考えよう!

臀部の筋肉グループ(臀筋群)について、詳しく見てきましたが、ここからは上で確認した各臀部の筋肉の作用を元にして、それぞれを鍛えるために効果的な筋トレ種目とはどのようなものがあるのかを、簡単な参考例として見ていきましょう。

大臀筋に効果的な筋トレの参考例

大臀筋は上でも触れた通り、鍛えるに当たって大臀筋全体が関与し、大きな力を出せる股関節伸展の動作が含まれる筋トレ種目を軸にしていくというのが、効果的であり効率的。

そこで、以下のようなトレーニングを、おすすめな筋トレ種目例として挙げていくことが出来ます。

スクワット

スクワットは動作の中で膝関節を伸ばしながら股関節を伸ばす(伸展する)動きが起こるため、大臀筋を強化する効果がある筋トレ種目。

下半身には大きくて力強い筋肉が集まり、スクワットは2つ以上の関節動作が含まれるコンパウンド種目(多関節種目)で、各関節動作に紐付いた大きな筋肉を複数動員していけるため、非常に重いウェイトを扱っていけるのが特徴。

結果、大臀筋へも強烈な刺激を加えられることになります。

中でも、バーベルスクワットは高重量の負荷を扱うには優れた筋トレ種目であり、ブルガリアンスクワットは軸足側の大臀筋へ負荷を集中させることで強烈な刺激を加えていけます。

他にも、両足を広げて行うワイドスクワットなどは、初心者でも大臀筋に効かせやすいのでおすすめです。

デッドリフト

床においたバーベルを握ったら、膝を伸ばして股関節を伸ばす動きを一連の流れで行って、上体を起こしていくデッドリフトも、大臀筋を鍛える上では非常に効果の高い筋トレ種目。

スクワットと比べて、膝関節伸展に作用する大腿四頭筋の関与が低い分、大臀筋の作用が重要になってくるため、大臀筋に限って言えばより効果の高い筋トレ種目と言えます。

高重量のバーベルの負荷をとても効果的に大臀筋へ入れていける筋トレ種目であるため、臀部最大の筋肉である大臀筋を鍛えるなら取り組んでいきたい種目であるのは間違いないですが、腰へも大きなストレスが掛かるため、高重量を扱う前にしっかりとフォームやテクニックを習得してから始めていきましょう。

ヒップエクステンション

ヒップエクステンションは、太ももを付け根から後方へ動かす股関節伸展を純粋に起こしていく筋トレ種目。

様々なやり方が含まれますが、なかでもクワドロペットヒップエクステンションと呼ばれるやり方であれば、特に器具も必要なく脚の重さを負荷として大臀筋を刺激していけるため、臀筋群の一つのトレーニングとして覚えておくと便利なやり方になるかと思います。

ちなみに、このヒップエクステンションを行う場合、しっかりと太ももを体の後方へ振って、大臀筋を収縮させるように意識しながら取り組んでいくことがポイントになります。

ヒップリフト

ヒップリフトは、膝を立てて仰向けになったら、股関節伸展を起こして背中を床から離して上げていく筋トレ種目。

上で紹介したクアドロペットヒップエクステンションとは逆の姿勢になり、体重の一部を負荷として、大臀筋に刺激を入れていきます。

クアドロペットヒップエクステンションよりもさらに簡単に取り組めるので、大臀筋の筋トレを始める初心者の人などにはおすすめなトレーニングになります。

中臀筋と小臀筋に効果的な筋トレの参考例

中臀筋と小臀筋はどちらとも、筋線維全体が股関節外転に作用するため、股関節外転の動作を含んだり、股関節外転の力が必要になる筋トレ種目に取り組んでいくというのが、効果的なトレーニング方法になってきます。

そこで、以下の筋トレ種目を参考例として抑えておくと良さそうです。

ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは、膝関節伸展と股関節伸展が起きるスクワット種目に分類されるものの、片足立ちに近い体勢で動作を繰り返していくため、実は軸足側には大きな股関節外転の力が求められることになります。

結果、股関節外転に作用する中臀筋と小臀筋へ刺激を入れていくことが可能で、特に中臀筋に関しては意外に効果の高いトレーニングになります。

大臀筋も一緒に鍛えられるため、臀部全体の筋肉を鍛える種目としても利用しやすい筋トレです。

マシンアブダクション

マシンアブダクションは、専用のアブダクションマシンを利用して股関節外転を起こしていく筋トレ種目。

マシンに備え付けの高重量を利用でき、また、動作の軌道が固定されているため、シンプルな動きでダイレクトに中臀筋と小臀筋を刺激していけ、両臀筋群の強化を考える上では有効活用していきたい筋トレ種目だと思います。

ちなみに、両脚を完全に閉じてしまうと負荷が抜けてしまうので、効果を高めていきたい場合は、両脚が完全に閉じてしまわないギリギリのところまでで反復していくのがポイントになります。

ケーブルアブダクション

純粋な股関節外転の動作を、ケーブルマシンを利用して行っていく筋トレ種目。

Cable hip abduction

ケーブルの特徴である、「動作中は負荷が一定になって抜けない」というメリットから、動作の終始、中臀筋と小臀筋を緊張させ続けることが可能。

また、脚を内側へ深く動かせるため、可動域を広げて筋肉を動かしていけるメリットもあります。

マシンアブダクションのように簡単に動作を安定させられるわけではありませんが、中臀筋や小臀筋をより高負荷で鍛えたい筋トレの経験者にとっては、優れたトレーニングになってきます。

ライイングヒップアブダクション

横に寝た体勢を作ったら、上側の脚を股関節外転の動作で上方へ開いていく筋トレ種目。

脚の重さを負荷として中臀筋と小臀筋を刺激していけるため、特に器具も必要なく両臀筋群を鍛えるにはもってこいのトレーニング方法。

筋トレ器具やマシンを利用できない場合や、筋トレを始めたばかりの初心者にとってはおすすめな筋トレ種目になります。

 

お尻のケアしとく?

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すると、ちょっとした日常動作でも不快感を感じることにもなりかねないため、紹介したポイントや筋トレを参考に、気になったらケアしていくのが良さそうです!

筋トレキャンプでした!

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