キック力の筋トレと鍛え方を知っていますか?特に立ち技格闘技やムエタイなどにおすすめな方法を紹介します。サッカーなどのキック力の筋トレとしても応用できる部分もあります。
キック力の筋トレは、立ち技系の格闘技を行っている人にとって、パンチ力と一緒にその破壊力を高めるために大切です。
例えば、?ムエタイやキックボクシングでは、頭に一発蹴りを入れてKO勝ちする瞬間ほど、観衆を湧かせるものはありません。しかし、このような素晴らしいキック力はどこから来るのでしょうか?
簡単に言うとすれば、その原動力は腰回りとお尻の筋肉。
ムエタイやキックボクシングなどのキック力の源は、すべての運動に欠かせない腰と、大臀筋や中臀筋といったお尻の臀筋群にあると言えます。
つまり、この部分の筋力と瞬発力を筋トレで鍛えておくことで、格闘技におけるキック力を底上げする形で強化していくことが可能になると言えるでしょう。
今回は、主に格闘技におけるキック力の筋トレとして、押さえておきたいおすすめな鍛え方をいくつかピックアップしていきます。
サッカーなどでのキック力にも共通することもあるかと思うので、参考として確認してみてください。
立ち技系格闘技(ムエタイなど)向けにおすすめなキック力の筋トレ
キック力の筋トレ① ボックススクワット
筋トレにおいてスクワットは下半身の王様であり、お尻の筋肉を鍛えるにも最高の筋トレと言われます。
しかし、瞬発力の強化という点においては、ボックス(箱・台・椅子など)を利用して行うボックススクワットの方がより効果的であったりします。
というのも、通常のスクワットだと、腰を下ろしてから立ち上がる瞬間、実は反動を利用して行っていることが多く、立ち上がる際の力を純粋に足やお尻の筋肉の収縮だけで生み出しているわけではないのです。
それに対してボックススクワットの場合、腰を下ろした際に一度箱の上に座ることになりますが、こうすることで一旦動きの流れがストップします。
その状態から下半身の筋肉を収縮させて体を持ち上げていくことになるので、より、純粋に爆発的な力を発揮する必要に迫られ、キック力の筋トレとしては通常のスクワットよりおすすめになります。
他にもボックススクワットは、台を利用することで大腿四頭筋よりもお尻の筋力強化に有効であったり、台があることで安心して、より安定したフォームで腰を下ろして行けたりといった利点もあります。
- ボックススクワットを行う場合は、好みの高さの台を利用できます。
- しゃがんだ時にちょうど台の上にお尻が乗るような位置に立って行いましょう。
- パワーラックなどがあれば、ボックスを置いて行うことで大きな負荷を掛けながら安全に行って行けます。
- バーベルを担いだ状態で長い間腰を下ろし過ぎると、背中と脊椎に余計な圧力がかかってしまうので注意してください。
キック力の筋トレ② 相撲デッドリフト(スモウデッドリフト)
スクワットに次いでキック力の筋トレとしておすすめなのがデッドリフト。下半身や腰、他にも背中の筋肉など、お尻の筋肉も含めた全身の筋肉を同時に使って行く筋トレで、爆発的な力をつけるのに大変役に立ちます。
そしてこの相撲デッドリフトは四股踏みの姿勢になることで、従来のデッドリフトと比較して、より尻の筋肉(臀筋群)を使うようにします。
バーベルを握って後ろに引き上げる時は、体幹の筋肉を引き締めながらやるように意識してください。
そうすることでバーベルを前に戻していく時にも、ウェイトを体の近くに保つために必要なバランスを維持できるようになり、怪我予防にも繋がります。
さらにキック力の筋トレとしてより瞬発力を加えていきたい場合は、自分にとっての最大筋力、つまり1回しか反復できない重さの60%(RMの60%)にあたるウェイトを使い、体幹の筋肉も動員させながら、かがんだ状態から跳ね上がるようにウェイトを持ち上げて行きましょう。
キック力の筋トレ③ ヒップスラスト
https://youtu.be/PN8j4FJzAsU
キック力の源である瞬発力を生み出すお尻の筋肉を、集中的に鍛えていこうというのがこの鍛え方の目的。
ヒップスラストはバーベルの負荷を加えることで、お尻の大臀筋を強烈に鍛えていくためにとても有効な筋トレ。
お尻の筋肉の筋トレに集中していけるので、キックのために必要な瞬発力を生み出すためにも筋トレメニューに加えておきたい種目です。
また、立ち技だけじゃなく、もしも総合格闘技のように寝技もありな格闘技をやっている場合は、このヒップスラストの動きがグラウンドでのブリッジの動きに繋がってくるため、マウントポジションを取られた状況から逃げ出すための練習や鍛え方としても有効です。
キック力の筋トレ④ ブルガリアンスクワット
ムエタイを始め、体の回転を必要とする立ち技系の格闘技では、キックをする際、片足で多くの力を生み出していくことになります。
ブルガリアンスクワットは、その片足で力を生み出すことを考えた場合に最適なキック力の筋トレ。
片足を後ろに引き、ボックスまたはベンチの上に乗せた状態で、バランスを取りながらスクワットしていくことで、片足の姿勢でしっかりとパワーを生み出していけるように体を整えていきます。
結果的に、ブルガリアンスクワットのような片足で行う筋トレを通して、複数の筋肉を使って生み出されたパワーを、キックがミートする時の一点に集中させていくことができるようになり、キック力の向上につながります。
ブルガリアンスクワットは、両手にダンベルを持ったり、バーベルを担いで負荷を加えながら行っていくのも良いでしょう。
バランスが取りにくいと感じる人は、ウェイトベストなどの利用も検討してみると良さそうです。
キック力の筋トレ⑤ ケーブルコアプレス(パロフプレス)
ケーブルコアプレス(又はパロフプレス)は、日本ではあまり知られていませんが、体幹(特に腹筋)の筋肉を強烈に鍛えていける筋トレです。
実際に試してみると、最もハードな体幹の筋トレの1つだと理解できるかと思いますよ。
体幹の筋肉はキックを放つ際にも、バランスをしっかりと維持しながらお尻で生まれた爆発力を、しっかりと脚に伝えていくためにとても大切になってきます。
また、ケーブルコアプレスは、ケーブルまたはバンドの回転に抵抗して体を捻りながら行う筋トレのため、腰を捻る動作も大切になるキックにおいて、とても有効な筋トレになってきます。
- ケーブルのハンドルを両手で掴んだら、体を半回転させ横向きにしましょう
- 両足は肩幅程度に開いて、ケーブルの回転に抵抗しながら体を真っ直ぐに保ちます
- ケーブルのハンドルを胸のミゾオチ辺りに引き寄せて持ちます。これがスタートポジションです
- 姿勢が崩れないように体幹の筋肉に力を入れて耐えながら、腕を真っ直ぐ伸ばし(プレス)ていきます
- 腕を伸ばした状態を数秒維持したら、元のポジションへ戻し繰り返していきます
キック力の筋トレ⑥ メディシンボールスロー
負荷も高く、多くの筋肉を関与させることになるメディシンボールスローは、体幹を鍛えるにはもってこいの筋トレ。この筋トレで自然な形で体幹を鍛えていけば、キック力の向上も大いに期待できることになります。
バーベルやダンベルを利用した筋トレでは、基本的に動作の最後の部分で、動きが減速していき、一旦静止したりする場合がほとんど。さもないと、バーベルやダンベルが手から滑ってどこかえ飛んで行ってしまうことにもなりかねません。
それに対してメディシンボールスローでは、お尻を使ってボールをできるだけ遠くに投げることが目的。そのため、お尻で生み出した瞬発力を殺さずに、最後の動作までやり切ることができる筋トレになります。
メディシンボールスローを行うなら
メディシンボールスローを行なうには、一人でやる場合と二人で行う場合があります。
一人で行う場合は、壁から5~6m程度離れた場所に立ち、お尻の筋肉だけを使い、壁に向かってできるだけ強くボールを投げてみましょう。そうすることで、お尻の力が最大限に発揮され、キック力を鍛えることができます。
二人で行う場合は、パートナーと十分な距離を取ったら、同じようにお尻の筋肉を使って、相手にボールを投げていきます。
キック力の筋トレ⑦ レッグレイズ
股関節を屈曲(股関節を曲げていく動作)に関与する筋肉を鍛えるレッグレイズも、キック力の筋トレとして超有効なので、ムエタイなどの格闘技を行っている人は取り組んでいきましょう。
股関節の屈曲筋が強化されれば、それだけ脚を前方へ降り出していく動作が強烈になり、それだけでもキック力が高まります。
他にも股関屈曲筋群が強化されることで、お尻の筋肉が生み出す瞬発力を、確実に前の方向への体重移動の際に伝えていくことになるので、体重を乗せながら爆発的な力を加えた、強烈なキックを相手に放つことができるようになります。
レッグレイズのような股関節の屈曲筋を鍛える筋トレは、直接的には瞬発力を生み出すわけではないですが、下半身で生み出された瞬発力をキックの際に補助するといった働きになり、とても大切です。
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キック力の筋トレと鍛え方「格闘技やムエタイ向きだけどサッカーなどにも応用可!」
主に格闘技におけるキック力アップのための筋トレについて紹介してきました。
もしも現在格闘技を行っていて、打撃力のアップに取り組んでいるなら、今回紹介したキック力の筋トレに是非取り組んでみてください。
他にも、サッカーのキック力などでも応用が可能な部分もあると思うので、参考にしてください!
筋トレキャンプでした!