キネティックチェーン(運動連鎖)|OKCとCKCの違いからトレーニングの分類分け

キネティックチェーン(運動連鎖)について紹介していきます。OKCとCKCの違いから、トレーニングごとに分類分けした場合の参考例までを見ていきましょう。

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キネティックチェーン(運動連鎖)について知ってしますか?

筋トレや他の様々な運動を行うにあたって、絶対ではないけど知っておくと、各動作を分類して整理するために役立ち、トレーニングのメニューやプログラムを考えていく上での補助となるかもしれません。

また、そのキネティックチェーン自体にも、OKCとCKCという二つの種類が存在し、それぞれの違いを確認しておくことは、トレーニングを体系的に考えていく上で役立ちます。

今回は、そのキネティックチェーン(運動連鎖)について、その概要の解説から始め、OKCとCKCの比較、そして最後に各筋トレ種目をいくつか例に挙げ、キネティックチェーンとしてはどちらに分類されるのかを紹介していきます。

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キネティックチェーン(運動連鎖)とは? 

キネティックチェーン(kinetic chain:運動連鎖)は、人間の身体動作を表す工学的概念の一つ。

元々は、1875年に機械工学者のフランツ・ルーロー(Franz Reuleaux)が提唱した概念で、それを1995年にアーサー・スタインドラー博士(Dr. Arthur Steindler)が、身体運動の解析やスポーツ競技に特化した運動パターンに当てはめることによって生まれた概念です。

具体的には、人間が動く時、隣席したり近くにある筋肉や関節が相互に影響し合って動作を起こすという考え方で、その過程で発生するエネルギーの伝わり方がムチの動き同様のメカニズムであることから、ムチ動作などとも呼ばれています。

例えば、野球においてピッチャーがボールを投げる時、上げた足を前に踏み出した後、

  • 上体

という順番で、足から生み出したエネルギーを体幹で増幅し、それを手の末端部分まで繋いでいくことになり、滑らかな動作が実現される限り、スピードやパワーを増加させていくことになります。

この様に、「隣接する」または「近くにある」筋肉や関節を介してエネルギーが伝わり、一つの動きを起こしていく現象のことを表す概念として「キネティックチェーン(運動連鎖)」が存在するのです。

2種類のキネティックチェーン(運動連鎖)|OKCとCKC

キネティックチェーン(運動連鎖)には2種類存在し、それぞれオープンキネティックチェーン(Open Kinetic Chain:OKC)と、クローズドキネティックチェーン(Closed Kinetic Chain:CKC)と呼ばれています。

そのOKCとCKCについて、詳しく見ていきましょう。

OKC:オープンキネティックチェーン

オープンキネティックチェーン(OCK)とは、キネティックチェーンの中でも、四肢の末端(体から最も遠い部位)が何にも固定されておらず、自由な状態で動けるキネティックチェーンのこと。

例えば手を振る動作や、脚を前方へ蹴り出す動作などがこのOKCに該当します。

また、筋トレでいうアイソレーション種目(動きの中で一つの関節動作しか起こさない筋トレ)は、ほぼ全てこのOCKであると考えて良いかと思います。

CKC:クローズドキネティックチェーン

一方で、四肢の末端が固定されている、または大きな負荷によって制限されている(固定されるほど大きな負荷が掛かっている)ものをクローズドキネティックチェーン(CKC)と呼びます。

例えば、足裏を地面に固定して立ち上がるスクワットなどは、このCKCの代表的な動作です。

また、CKCは通常、筋トレでいうコンパウンド種目(動きの中で複数の関節動作を含む種目)の中で多く見つけることが出来ます。

(※コンパウンド種目の中でもベンチプレスショルダープレスなどはOKCに含まれます)

OKCとCKCの比較

上記のようなOKCとCKCの違いを、簡単な比較としてまとめると以下のようになります。

  • オープンキネティックチェーン(OKC)
    • 四肢の末端(手や足など)が自由に動かせる状態で行う運動
    • 筋トレ種目例
  • クローズドキネティックチェーン(CKC)
    • 四肢の末端が固定されている、または固定されるほど大きな負荷が掛かっている状態で行う運動
    • 筋トレ種目例

また、このような違いにより、OKCとCKCはそれぞれ次のようなメリットを持っていると言えます。

  • オープンキネティックチェーン(OKC)
    • 一つの部位または筋肉だけを鍛える上でははるかに効果的
    • 特定の筋肉や関節動作を対象としたリハビリやトレーニングに役立つ
    • 実戦の競技において弱点を集中して改善する上で役立つ
  • クローズドキネティックチェーン(CKC)
    • 複数の部位または筋肉を鍛える上で役立つことが多い
    • 日常生活やスポーツで自然に起こる動作を鍛える上で非常に大切
    • 一つの部位が疲労していたとしても負荷を分散でき、疲労の影響を抑えながら全体としての動作を起こしやすい

以上のような違いや特徴がありますが、一般的に一連の動作の中には、このOKCもCKCも含まれることになるため、どちらが優れているといったことはなく、また、OKCとCKCどちらの方法であっても、ほとんどの筋肉を鍛えていくことが可能になります。

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キネティックチェーン(運動連鎖)で見る筋トレ種目

キネティックチェーンについて、その概要から2つの異なる種類までを見てきましたが、ここからは、いくつかの筋トレ種目を挙げながら、どちらのタイプのキネティックチェーンになるのかを参考として見ていきたいと思います。

胸の筋トレ種目

ダンベルフライ → OKC

トレーニングベンチに仰向けになったら、両手にダンベルを握って行うダンベルフライは、大胸筋を鍛えるOKCに該当する筋トレ種目。

左右の手(四肢の末端)を固定しないことで、肩関節だけの動作を起こし、大胸筋を集中して刺激していくことが可能になります。

  1. フラットベンチを用意してその上に仰向けになります
  2. 左右の手にそれぞれダンベルを握って胸の上に両腕を伸ばしておきます
    1. この時、手の平はお互い向き合うようにしておきましょう
  3. 体と腕がTの字になるようなイメージで腕を広げていきます
    1. 胸は張って肩甲骨は寄せておきましょう
    2. 肘は少し曲げたまま広げていきます
    3. 弧を描くようなイメージで広げていきます
    4. 肩とダンベルが同じ高さになるのを目安にしておきましょう
  4. ゆっくりとダンベルを戻していきます
    1. 肩甲骨は寄せたまま、弧を描くように最初と同じ軌道に沿って戻していきます

腕立て伏せ → CKC

大胸筋を鍛える自重トレーニングとして代表的な腕立て伏せは、手を床へ固定する(体重と床からの反発力により固定されるほど大きな負荷が手に掛かる)ことになるため、CKCのトレーニングとして考えられる筋トレ種目です。

  1. 腕は肩から手首まで真っ直ぐ伸ばし、手と足で体を支えます
    1. 肘は広げすぎず、体の横45度程度に保つようにしましょう
    2. 肩からカカトまでが一直線になるように、全身を真っ直ぐにしておきましょう
    3. トレーニング中は、この形を維持するよう気をつけます
  2. 胴体をゆっくりと下げていきます
    1. お腹は引き締めておきましょう
    2. 出来る限り深く下ろしていきます
  3. 床を押してゆっくりと肘を伸ばし、体を上げていきます

ベンチプレス → OKC

腕立て伏せと同じように肩関節と肘関節を動かしていくものの、四肢の末端である両手が固定されているわけではないため、ベンチプレスはOKCに分類されることになります。

  1. フラットベンチに仰向けに寝て、頭をベンチにつけて安定させます
    1. 膝を曲げ、足の裏を床にしっかりつけます
  2. 両手の幅は肩幅より広めに取り、バーベルを握ります
    1. 胸を張って肩甲骨は寄せておきましょう
  3. バーベルをラックから外して腕を伸ばしておきます
  4. 肩甲骨は寄せたままバーベルを深く下ろしていきます
    1. この時、体幹は引き締めておきましょう
    2. 下ろす位置は乳首かそれよりやや下が目安です
  5. 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを持ち上げていきます
    1. 腕を伸ばしてトップポジションで大胸筋を収縮させます
    2. バーベルが肩と鎖骨の直線上にくるようにします

背中の筋トレ種目

懸垂 → CKC

固定されたバーへ四肢の末端(手)を固定して体を引き上げていくため、懸垂は背中の筋トレ種目の中でもCKCとして位置付けられることになります。

自然な環境で体を引き上げる能力を身につける上で、より直接的な効果を発揮します。

  1. バーを肩幅より拳2個分ほど広く順手で握ってぶら下がります
    1. この時に足を後ろで組み、気持ち胴体を後ろへ持ってくると動作中に体がブレにくくなります
    2. 目線を上げ、バーの中央あたりに視点を合わせましょう
    3. 逆手の場合、手幅は肩幅と同じ程度にしておきましょう
  2. 肩甲骨を寄せるようにし、背中の力で体を引き上げていきます
    1. 可能なら胸の上あたりがバーにつく程度まで、又は顎がバーの上に出る辺りまで引き上げてみます
  3. ゆっくりと腕を伸ばして体を下げスタートのポジションへ戻ります
    1. 広背筋がしっかいとストレッチするぐらいまで腕を伸ばして体を下ろしていきましょう

バーベルローイング → OKC

上体を前傾させた体勢を作ったら、両手でバーベルを握り、そのバーベルを体の後方へ向けて引き上げていく筋トレ種目。

バーベルを握っているものの、両手は固定されているわけではないため、OKCに分類されることになります。

  1. 上体を前傾させて胸を張り、両腕を伸ばしてバーベルをぶら下げます
    1. 上体の前傾は45~60度が目安です
    2. 背中はしっかりと伸ばしておきましょう
    3. この時、膝は軽く曲げておきます
    4. 顔は真っ直ぐ正面を向いておきましょう
  2. 肩甲骨を寄せるようにし、バーベルを引き上げていきます
    1. 肘は出来る限り胴体の側から離れないようにします
    2. 上げきったところで背中の筋肉を思い切り収縮させ、一旦静止しましょう
  3. 引き上げたバーベルをゆっくりと元の位置へ戻していきます

脚の筋トレ種目

レッグエクステンション → OKC

専用のマシンに座って、膝を伸ばす膝関節伸展を行っていくレッグエクステンションは、四肢の末端(足)が固定されていないため、OKCに分類される筋トレ種目です。

太もも前面の大腿四頭筋を強化していく上で効果的な方法です。

  1. レッグエクステンションマシンのシートの高さや位置の調整を行います
  2. 両足のひざ裏がシートの端に当たるようにし足首をパッドにかけて座ります
    1. 基本的には、膝がちょうど90度になるようにパッドが調整されていることを目安にします(※90度より膝が伸びた状態から始めるのは、負荷が軽くなったり、可動域を広く取れないためおすすめしません)
    2. ウェイトを調整しましょう
  3. 膝を伸ばしてパッドを上げていきます
    1. 出来る限りパッドを上げていくようにしましょう
    2. 最も高く上がった時点で大腿四頭筋を意識的に収縮させ、1秒程度静止すると効果が高まります。
  4. 膝をゆっくりと曲げてスタートポジションへ戻していきます

レッグカール → OKC

レッグカールも専用のマシンを利用して行う下半身の筋トレ種目で、両足は固定されていないため、OKCに分類されます。

レッグエクステンションとは逆に、膝関節を曲げていく膝関節屈曲を起こしていくため、その関節動作の主力筋である、太もも裏のハムストリングを集中して鍛える上で効果的な方法です。

  1. 専用のマシンのパッドの高さや位置を調節して、シートの上にうつ伏せになります
    1. 専用のパッドの下へ、ふくらはぎの裏側下部を当てておきましょう
  2. 脚は真っ直ぐにして体も真っ直ぐにし、専用のレバーを握ります
    1. これがスタートのポジションです
  3. ゆっくりと膝を曲げて、できる限り足を上に上げていきます
    1. この時太ももがシートから離れないように気をつけましょう
    2. 膝を曲げ切ったところで1~2秒静止すると効果をさらに高められます
    3. 息は吐きながら行っていきます
  4. ゆっくりとスタートのポジションへ足を下ろしていき繰り返します

スクワット → OKC

CKCの代表的な運動と言っても良いのがスクワット。

両足を床につけることで、四肢の末端が固定されるCKCのトレーニングとして、下半身全体を強化していくのに優れた方法になります。

  1. 両足を肩幅に開き直立します
    1. つま先はやや外に向けておきましょう
    2. お腹周りは引き締めて、胸を張って姿勢を正し、視線は前に向けておきます
  2. 膝を曲げながら腰を下ろしていきます
    1. 太ももが床と平行になる程度までを目安に、しゃがんでいきます(それ以上しゃがんでもOKです。難しい場合は、無理せず出来る範囲内で行っていきましょう)
  3. 腰を下げた体勢から体を押し上げていき、スタートのポジションに戻ります

その他にもあるCKCとOKCの筋トレ種目例

また、上記に挙げた筋トレ種目以外にも、以下のような種目をそれぞれCKCとOKCとして分類していけるので参考にしてください。

参考になるかもね。

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キネティックチェーン(運動連鎖)|OKCとCKCの違いからトレーニングの分類分けのまとめ

筋トレやトレーニング用語として知っておくと良さそうな、キネティックチェーン(運動連鎖)について見てきました。

キネティックチェーンに含まれるOKCとCKCの違いや、各種類に含まれる種目とはどのようなものか理解しておき、トレーニングメニューやプログラムを組む際に役立てていきましょう!

ぴろっきーでした!

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