膝関節屈曲と筋肉|作用から強化目的の運動や筋トレまで





膝関節屈曲と筋肉群について確認していきます。その作用から効果的なストレッチ方法、そしてちょっとした運動から、強化に優れた筋トレ方法までを見ていきます。

膝関節屈曲と筋肉について見ていきます。

膝関節屈曲は、下半身を使う大抵の動きの中では起こる関節動作であるため、日常生活からスポーツにおいてまで非常に大切。

正常な膝関節屈曲を実現できるからこそ、健康的な生活を送ったり、スポーツのパフォーマンスを高めていくことが可能になります。

そんな膝関節屈曲について、一度基本的な概要や作用から、関与する筋肉群、そしてストレッチ方法や、ちょっとした運動から筋トレ方法までを確認してみましょう。

膝関節屈曲とは?

膝関節の屈曲とは、「膝を曲げる」動作で起こる膝関節の動き。

歩行や走行時において太ももを前方へ振り出した際、ブレーキを掛けるように力を出し、空中で膝が伸びすぎてしまう(膝下が不必要に前に振られてしまう)のを止める際に働くため、立ち居で前進する力をコントロールする上では非常に大切な関節動作(参照:筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典, p.133)

また、ジャンプをする時など、膝を曲げて大きな力を溜め込む際には、この膝関節屈曲の動作が大きく関与して、その後のパワー発揮に影響を与えていきます。

広い可動域を持ちながらも伸展動作の力には及ばない

膝関節屈曲は通常、130~140度の可動域を持っており、逆の膝関節伸展(膝を伸ばす動作)が持つ5~10度の可動域と比較してとても広く、正座などで体重を掛けていく場合などは、さらに可動域が広くなるといった特徴を持っています(参照:筋肉・関節の動きとしくみ事典, p.54)

一方で、同じ膝関節動作の中で発揮出来る最大筋力を比較した場合、膝関節伸展は190~220Nmなのに対して、膝関節屈曲は110~120Nm。

そのため、膝関節伸展のおおよそ55~60%程度の筋力を、膝関節屈曲で発揮出来るようにしておくことが、膝関節周りの筋力バランスを調整する上でのポイントになってくると言えます。

膝関節屈曲に貢献する筋肉(膝関節屈曲筋群)

膝関節屈曲に関わる筋肉は、主に下半身後面に位置する筋肉が大きな力を出して貢献しながら、下半身後面以外に位置する筋肉も一部補助するように作用していくことになります。

その膝関節屈曲に貢献する主な筋肉を、貢献度順に並べると以下の通りです。

上記の貢献度順を見ても分かるのが、膝関節屈曲には基本的に太もも裏のハムストリング(3つの筋肉で構成された複合筋)が最も強く関わっており、これがハムストリングが膝関節屈曲の主力筋として有名な理由。

そこへ、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋と、下半身の後面以外に位置するいくつかの筋肉が加わり、ハムストリングを補助するようにして膝関節屈曲を支えています。

ちなみに、この股関節屈曲に関与する筋肉は数が多く、中でもハムストリングと腓腹筋は比較的大きな筋肉になるため、人体の関節動作としては6番目に大きな力を発揮でき、また、膝関節屈曲筋群を鍛えることは、筋肉量アップや基礎代謝の向上などにも役立ってきます。

膝関節屈曲筋群をさらに詳しく見ていく

膝関節屈曲に関与している筋肉にはどのようなものがあるかを、貢献度ランキングを含め簡単に確認しましたが、その股関節伸展筋群に含まれる各筋肉について、もう少しだけ詳しく見ていきたいと思います。

確認しておきたければ参考にしてみてください。

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膝関節屈曲筋群に含まれる各筋肉

半膜様筋(はんまくようきん)

ハムストリングを構成するその他の筋肉(大腿二頭筋と半腱様筋)に一部を覆われており、3つのなかでは最も深層に位置していると考えることが出来る筋肉。

筋腹が膝寄りにあって、筋繊維が短いのが特徴。

その体積は347㎤でハムストリングの中では最も大きい。

半腱様筋(はんけんようきん)

半膜様筋を一部覆いながら、骨盤から膝関節下部にまでつながるハムストリングの一つの筋肉。

半膜様筋とは逆で、その筋腹は上寄りにあり、またその筋繊維が長いのも特徴。

そして腱も長いため、その特徴がこの筋肉の名前を物語っている。

その体積は212㎤でハムストリングの中では最も小さい。

大腿二頭筋(だいたいにとうきん)

太もも裏にあるハムストリングを形成する筋肉の一つであり、ハムストリングのなかでは最も外側にある筋肉。

始起部が短頭と長頭の二つに分かれており、短頭は大腿骨に停止するため股関節をまたがないのに対して、長頭は骨盤の坐骨結節につながり股関節をまたいでいるため、股関節伸展には大腿二頭筋のなかでも長頭のみが働く。

その体積は317㎤と、半腱様筋より大きいものの、膝関節屈曲より股関節伸展への貢献度が高いため、膝関節屈曲の貢献度は半腱様筋より下がる。

腓腹筋(ひふくきん)

腓腹筋はふくらはぎの表層に位置し、主に瞬発的な動きに働く筋肉。

基本的には足関節の底屈(足首を足底側へ動かす)に主力筋として働くが、膝関節もまたぐ二関節筋であるため、膝関節屈曲にも貢献するのが特徴。

体積は322㎤と比較的大きく、膝関節屈曲を起こす際にはハムストリングを強くサポートしながら働き、ハムストリング以外では最も大切な筋肉。

薄筋(はっきん)

下半身の後面ではなくて太ももの内側に位置する、股関節内転筋群に含まれる細長い筋肉。

股関節だけではなく、膝関節もまたぐ二関節筋であるため、膝関節屈曲にも作用する。

特に、両脚を閉じて膝を深く曲げる際に貢献度が高いといった点が特徴。

ただし、その筋体積は88㎤と小さく、あくまでも補助として膝関節屈曲に関与していく程度の強さである。

縫工筋(ほうこうきん)

太ももの前面内側寄りの表層にある筋肉。

骨盤の外側から膝下の内側までつながる細長い筋肉で、人体で最長の長さを誇るのが最大の特徴。

股関節と膝関節をまたぐ二関節筋であるため、膝の屈曲にも多少作用する働きを持つ。

その体積は140㎤。

膝窩筋(しっかきん)

膝窩筋は、膝関節後面に位置する筋肉で上の大腿骨下部先端の外側から、下の脛骨上部内側までをつなげる小さな筋肉。

その位置から、主に膝を曲げる動きに作用する。

ただし、22㎤と非常に体積が小さいため、膝関節屈曲に作用するといってもその貢献度は小さい。

膝関節屈曲筋群のストレッチ

膝関節屈曲の概要から、関与する筋肉についてまで理解出来たかと思いますが、ここからは膝関節屈曲筋群をケアするためにも、ストレッチの方法をいくつか見ていきます。

膝関節屈曲筋群のストレッチ① アシステッド・スタンディングハムストリングストレッチ

膝関節屈曲に関与する筋肉(特にハムストリングと腓腹筋)をストレッチするなら、膝関節屈曲とは逆の動作である、膝関節伸展方向に伸ばしていくのが効果的。

そこで、台や高めの段差などを利用して、立ち居の状態で膝関節屈曲筋群を効果的にストレッチ出来る、このアシステッド・スタンディングハムストリングストレッチに取り組んでいってみましょう。

  1. 直立したら伸ばしたい方の脚を台などの上に乗せます
    1. 脚の高さを高くするほどストレッチ効果は増します
  2. 上体を軽く前傾させて膝を伸ばし、太もも裏をストレッチさせていきます
    1. この時、つま先を反らせることで腓腹筋もしっかりと伸ばしていくことが可能になります
    2. ストレッチを感じたところで静止しましょう
  3. その体勢を30秒維持したら、逆側も繰り返します

膝関節屈曲筋群のストレッチ② シーテッドハムストリングストレッチ

地面に座った状態で、膝関節屈曲の筋肉群を伸ばしていくストレッチ方法。

ストレッチに集中しやすいため、脚を伸ばして座れる場合にはおすすめ。

  1. 地面にあぐらをかくようにして座ります
  2. 右脚を前に出して伸ばし、左膝は曲げたままにしておきます
  3. 右足のつま先を手で自分の方へ引き、ストレッチしていきます
  4. 次は左右を交替してストレッチを行なっていきましょう

膝関節屈曲の筋肉強化運動や筋トレ

膝関節屈曲に関与する筋肉群を動かすちょっとした運動から、強化するためにおすすめな筋トレ種目を見ていきます。

膝関節屈曲筋群の中でも、特にハムストリングは肉離れが起こりやすい部位であるため、下半身を使うスポーツなどに取り組む場合は、普段から簡単な運動を行っておいたり、反対の動作である膝関節伸展の力とバランスを取るように強化しておくことが大切です。

膝関節屈曲強化の運動と筋トレ① ヒールスライド

ヒールスライドは仰向けの状態(または脚を伸ばして床に座った状態)になり、かかとを床につけたまま、お尻の方へかかとをゆっくりと動かしていく運動。

床とかかとの摩擦をちょっとした負荷として使いながら、膝関節屈曲に関与する筋肉を動かしていきます。

ただし、他の筋トレと違い掛かる負荷は低いため、強化目的の筋トレというよりは、膝関節屈曲に関与する筋肉を軽く動かしておくための運動として、取り組んでいくのが良いかと思います。

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  1. 脚を伸ばしたまま仰向けに寝ます
    1. 動かす方の足には靴下を履いておくと、かかとを床につけたまま動かしやすくなります
  2. かかとをつけたまま、ゆっくりと膝を曲げていきます
    1. かかとがお尻手間に来るまでを目安に曲げていきましょう
  3. その後、膝を伸ばして最初の状態に戻ります
  4. 以上の動作を片側で繰り返したら、もう一方の脚でも行っていきます

膝関節屈曲強化の運動と筋トレ② レッグカール(マシン)

レッグカールは膝関節屈曲の代表的な筋トレ種目であり、膝関節屈曲に作用する筋肉群を強化するためには非常に効果的。

基本的にはジムに設置された専用のマシンを利用して行うことになり、その場合は高重量をシンプルな動きで利用していけるため、初心者からでも安全に、そして効果的に、膝関節屈曲の力を強化することが可能。

専用のマシンには座って行うものと、うつ伏せで行うものがありますが、基本的に効果はそこまで変わらないため、利用できるマシンで行っていってみましょう。

  1. 専用のマシンのパッドの高さや位置を調節して、シートの上にうつ伏せになります
    1. 専用のパッドの下へ、ふくらはぎの裏側下部を当てておきましょう
  2. 脚は真っ直ぐにして体も真っ直ぐにし、専用のレバーを握ります
  3. ゆっくりと膝を曲げて、できる限り足を上に上げていきます
    1. この時太ももがシートから離れないように気をつけましょう
    2. 膝を曲げ切ったところで1~2秒静止すると効果をさらに高められます
  4. ゆっくりとスタートのポジションへ足を下ろしていき繰り返します
  5. 以上の動作を繰り返していきます

膝関節屈曲強化の運動と筋トレ③ ダンベルレッグカール

ダンベルレッグカールは、レッグカールマシンがない時に行ってみたい、膝関節屈曲力強化の筋トレ種目。

うつ伏せの状態になったら、ダンベルを両足に挟むことで負荷を加え、膝関節屈曲筋群を刺激していきます。

ただし、両足でダンベルを挟みながら動かしていくには多少テクニックが必要なため、いきなり重たいウェイトを使わないで、まずは動作に慣れることから始めていきましょう。

Lying Dumbbell Leg Curl
  1. 適度な重さのダンベルを一つ、トレーニングベンチの片端の床の上に置きます
    1. ダンベルが置かれた方が足側になります
  2. 膝下がベンチの端より外に出るようにしてトレーニングベンチに仰向けになります
    1. 床に置いたダンベルを両足で掴みましょう
  3. 両脚が真っ直ぐに伸びるように調整し、両手でベンチ握り体を固定します
  4. ゆっくりと膝を曲げてダンベルをお尻の方へ近づけていきましょう
    1. この時、ダンベルが両足の間から滑り落ちないように気をつけます
    2. 膝を90度に曲げるのを目安にしていきます
  5. ゆっくりと膝を伸ばしてダンベルを最初のポジションへ戻していきます
    1. この時も、しっかりとダンベルをコントロールしながら滑り落ちないように注意しましょう

ちなみに、トレーニングベンチがない場合は床でも行うことが出来ます。

その場合は、ダンベルが床についてしまうギリギリ手前まで膝を伸ばしていくようにして、繰り返していきましょう。

膝関節屈曲強化の運動と筋トレ④ グルートハムレイズ

ローマンチェアにうつ伏せ状態で乗ったら、両膝を曲げながら上体を起こしていくことで、自重トレーニングであるにも関わらず、大きな負荷を利用して膝関節屈曲筋群を強化していける筋トレ。

動作の中には膝関節屈曲だけでなく、股関節伸展も含まれるため、そのどちらの動作にも関与するハムストリングを強化するのに、特に高い効果を発揮します。

Glute Ham Raise – Legs / Glutes Exercise – Bodybuilding.com
  1. かかとを固定してローマンチェアにうつ伏せになります
  2. そのまま自然な背中のカーブを保ちながら、上体を下へ下ろしていきます
  3. 太もも裏の力と大殿筋の力を使って、上体を引き上げていきます
    1. この時に大殿筋が強く収縮されるので意識して行いましょう
  4. この動作をゆっくりと反動を付けずに繰り返していきます

 

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膝関節屈曲と筋肉|作用から強化目的の運動や筋トレまでのまとめ

膝関節屈曲と、その動作に関与する筋肉群について見てきました。

普段の生活の中でも大切なこの膝関節屈曲について理解を深めたら、早速効果のあるストレッチや筋トレなどに取り組んでいってみましょう!

筋トレキャンプでした!

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