ミニハードルについて見ていきます。スピードやアジリティを高めるためのトレーニングメニューにも取り入れてみたい、具体的な5つのトレーニングドリル付きです。
ミニハードルというトレーニングツールを知っていますか?
主にスピードやアジリティ(俊敏性)と行った能力を高めていくとされ、実戦におけるパフォーマンスアップの為に取り入れられることがあるトレーニング器具です。
そのミニハードルについて、概要から効果、そしてトレーニングメニューにも取り入れてみると良さそうな、5つのミニハードルドリルの練習方法を紹介していきます。
特に、実戦においてスピードや俊敏性といった能力を高めたい人は、筋トレで筋肉を増強するだけでなく、ミニハードルのようなトレーニングについても一度確認してみましょう。
ミニハードルとは?
ミニハードルとは、小さくコンパクトなトレーニングツール。
その名前が示す通り、いわゆる障害競走を行う際のハードルのミニチュア版のような、小さなトレーニング道具です。
様々なメーカーのものが存在する中で、基本的には15~30cmの高さのものが一般的。また、中にはそれ一台で、何段階かに高さが調整可能なものまであります。
そして、そのミニハードルを必要に応じて3個から10個程度、身長と目的に合わせて60cmから必要に応じてさらに間隔を広くし、縦に平行に並べて使うのが基本的な方法。
その上をまたいだり、ミニハードルを避けながらズグザグに進んだりすると行った具合に、様々な足の使い方を行って、下半身を中心に運動能力を高めていくことになります。
結果的に、ミニハードルを利用したトレーニングは、短距離などの陸上競技からサッカー、他にもホッケーなどと、実戦でのパフォーマンスアップの効果を期待して、様々なスポーツのトレーニングメニューに取り入れられています。
ミニハードルの効果
ミニハードルを利用したトレーニングでは、ミニハードルの使い方次第で、様々な効果を期待していけることになります。
例えば、ミニハードルを広めの間隔で並べ、そのハードルに足がぶつからないように、ストライドを大きくしながら前方へ進んでいくことで、走行時の歩幅を広く出来たり、逆に狭い間隔で並べ、出来るだけ早く前進していくことで、ピッチの速度を高めていくといった具合。
また他にも、前進するだけではなく、使い方をちょっと工夫することで、サイドへ動く際の重心移動の方法や体の使い方を学んだり、素早い方向転換の能力を高めるといった効果が期待出来ます。
そのため、ミニハードルのトレーニングでは、スピードやアジリティ(俊敏性)を高めたり、下半身から発揮できるパワーを向上させ、トップスピードに達するまでの速度を早めたり出来るといった効果があると言えます。
ミニハードルトレーニングメニュー
ミニハードルについて、大まかな概要や効果を理解出来た上で、ここからは実際にミニハードルを利用したトレーニングメニューをいくつか紹介していきます。
ミニハードルを利用したトレーニングの効果を最大化していくためにも、次のポイントを抑えながら行っていくようにしましょう。
- ミニハードルをまたぐ時は出来る限り膝を上げていく
- ミニハードルを倒さないようにする
- つま先を基本とする
- つま先でジャンプして、つま先から着地する
- 最初の練習で右脚から始めた場合、次の練習では左脚から始める
- 最初に一方の脚をリード脚として使ったら、次回はもう一方の脚をリード脚として使う
- 動作中、姿勢は正しく維持するようにする
ミニハードルトレーニング① 1ステップトレーニングドリル
このミニハードルトレーニングでは、膝を高く上げた細かいピッチを力強く、そして素早く繰り返していくことで、脚を前方へ上げたり振り出したりする、股関節屈曲運動に関わる力を強化していきます。
また、走行時における股関節の使い方を改善していくことで、走行時に無駄なエネルギーを消費することがなくなり、全体的なスピード向上へ繋げていきます。
このミニハードルトレーニングメニューでは、少なくとも6~10個程度のミニハードルを用意し、およそ60~90cm程度の間隔で、縦にミニハードルを配置していきます。
そして、そのミニハードルを細かいピッチで、出来る限り早く越えながら、前進していきましょう。
ミニハードルトレーニング② ミニハードルホップドリル
このミニハードルトレーニングは、等間隔で並べたミニハードルを、両足でぴょんぴょん飛ぶように前進していくことで、走行時に必要な水平方向への力の出し方を強化していきます。
水平方向への力は、走行時における前方への瞬発力(爆発力)に結びついてくるため、加速力を高めていく効果を期待出来ると言えます。
- 6~10個のミニハードルを用意して、足二つ分の間隔で縦に配置していきましょう
- 配置したら、両足でそのミニハードルをぴょんぴょんと飛び越えていきます
- この時、体は完全に直立しているのではなく、少し前のめりにしておきます
- また、両足がミニハードルへ引っかからないように十分高くジャンプしていくように意識します
ミニハードルトレーニング③ ラテラルシャッフルドリル
ラテラルシャッフルドリルは、側方への体の動かし方を学ぶミニハードルのトレーニングメニュー。
サイドへ俊敏に体を動かしていく能力を高めていき、サイドステップなどのパフォーマンス向上へ繋げていきます。
- 3個のミニハードルを用意して、足二つ分の間隔で縦に配置していきましょう
- 最初のハードルの前に横向きで立ちます
- (ここでは体の右側がミニハードルの方へ向いていると仮定します)
- 右足を軽く上げておきましょう
- 1つ目のハードルから3つ目のハードルまで横向きでまたいでいきます
- 右足を1つ目と2つ目のハードルの間に動かしていきます
- 同時に左足を、1つ目と2つ目のハードルの間に動かしていきます
- 同時に右足を 2つ目と3つ目のハードルの間に動かしていきます
- 同時に左足を2つ目と3つ目のハードルの間に動かしていきます
- 同時に右足を3つ目のハードルの外側へ動かしていきます
- 同時に左足は着地せずに軽く上げておきます
- 今度は逆に、左足から最初のハードルまで同じ動きで戻っていきます
ミニハードルトレーニング④ ストライド・レングス・ドリル
このミニハードルのトレーニングメニューでは、ミニハードルの配置間隔を120~200cm弱と広めに取ることで、前進していく際のストライド(歩幅)の長さを伸ばしていくことを狙っていきます。
また、練習を繰り返していくことで、トップスピード(最高速度)に達した時であっても、体のリラックス状態を維持させたり、トップスピードになると忘れがちな、足と膝を自然としっかりと持ち上げられるような能力を高めていきます。
- 10個程度のミニハードルを用意しましょう
- それぞれのハードルを120~200cmの間隔で並べておきます
- スタート地点に立ちます
- スタート地点は、最初のミニハードルから十分な距離をとっておきます(助走に必要なため)
- この時の立ち方は、実際のスポーツに合わせた立ち方をすると良いでしょう
- 最初のミニハードルまで全力疾走します
- その後、片足ずつ間隔の広いミニハードルの間を踏むようにして走り抜けます
- 動作中は出来るだけ膝を高く上げておきましょう
ミニハードルトレーニング⑤ ステップ&ウィーブドリル
このミニハードルトレーニングメニューは、機敏性や、素早く体を方向転換する力、バランスを維持する能力、そして、足を素早く動かす力を身につける効果のある方法。
特に、相手を交わしながらジグザグに動いていく必要がある競技などにおいては、パフォーマンスアップが期待出来るようになるかと思います。
下の動画では、3つのトレーニングが含まれていますが、最後の3つ目は上で触れたラテラルシャッフルドリルになります。
他のミニハードルトレーニングに慣れたら試してみましょう。
トレーニング1:横を向いてジグザグ運動
- 6個のミニハードルを用意して、60~90cm程度の間隔で並べましょう
- 1つ目のミニハードルの前に横向きで立ちます
- (ここでは体の右側がミニハードルの方へ向いていると仮定します)
- 1つ目のミニハードルから6つ目のミニハードルまで横向きでジグザグに進んでいきます
- 逆向きでも行っていきましょう
トレーニング2:前を向いてジグザグ運動
- 6個のミニハードルを用意して、60~90cm程度の間隔で並べましょう
- 1つ目のミニハードルの横に前向きで立ちます
- (ここでは体の右側がミニハードルの左側へ向いていると仮定します)
- 2つ目のミニハードルから6つ目のミニハードルまでジグザグに進んでいきます
- 逆側からも行っていきましょう
トレーニング3:ラテラルサイドシャッフル
このラテラルサイドシャッフルでは、6個のミニハードルを用意して行いましょう。
ラテラルサイドシャッフルについては、すでに上で触れているため、詳しい解説は省きます。
ミニハードルトレーニングメニューに取り組む際に他にも知っておくと良さそうなこと
まずは取り組むドリルを限定して練習していく
ミニハードルトレーニングには、今回紹介した練習方法以外にも、様々なものがあります。
そのため、多くのトレーニングメニューへ、一気に取り組んでみたくなる衝動に駆られることがあるかもしれませんが、まずは2~3のミニハードルトレーニングドリルに集中し、練習していきましょう。
限定して取り組んだトレーニングドリルに慣れてきて、能力が高まってきたら、新いトレーニングに取り組んでいくようにすると良いかと思います。
最初はスピードよりフォームが大切
一つのドリルへ取り組み始めた当初は、まずは関節や筋肉の使い方を覚えるために、スピードではなく、テクニックへ意識を集中していきましょう。
そして、テクニックを体で覚えたら、次にスピードを上げていき、そのミニハードルトレーニングドリルの効果を高めていきます。
また、テクニックを学ぶ際には、下半身の足捌きだけではなく、両腕の動かし方や姿勢などにも意識を向けていくようにしましょう。
さらに、スピードを上げていく際に膝へ大きな負担がかからないように、優しく着地していく練習も大切になってきます。
練習だけでなく効果の確認も大切
ミニハードルトレーニングを行った場合、その練習をして終わりではなく、定期的にその効果を検証して、実際にスピードやアジリティ、その他の能力が向上しているかどうかもチェックするようにしましょう。
例えば、20m、50m、100mを全力疾走し、スピードやアジリティの向上が見られるかを定期的に確認したり、ミニハードルのジグザグ運動を定期的にテストして、体の切り返しに掛かる時間が短くなっているかをチェックしたりすると良いかと思います。
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ミニハードルとトレーニングメニュー|5つのドリルと具体的な練習方法を紹介!アジリティ向上へ!のまとめ
スピードやアジリティに効果のあるとされるミニハードルについて、概要から具体的な練習方法をまでを見てきました。
実戦で特にスピードが求めらるスポーツを行っている人などは、一度取り組んで見ると良さそうです!
筋トレキャンプでした!