スクワットを上達させるためのコツを紹介していきます。効果的なトレーニング方法に取り組めば、もっと効果を引き出していくことが出来ますよ。
スクワットを上達させるコツを知れば、筋トレの王様とも呼ばれるスクワットの効果をさらに引き出していくことが可能。
スクワットは下半身を中心に、全身にも効果があるとされる筋トレ種目。体全体の筋肉量や基礎代謝を増やす効果から、運動能力の底上げといった効果までも期待することが出来ます。
一方、この優れたスクワットを、効果的にトレーニング出来ないなんて悩みを抱えている人も意外に多かったり。
そこで今回は、スクワットを効果的に上達させるための、トレーニングのコツを紹介していきます。
スクワットをさらに上達させて、もっと効果を引き出していきたいなんて人は、一度確認してみましょう。
スクワットを上達させるコツを理解してトレーニング効果を高めよう!
スクワット上達のコツ1)テクニックを磨くべし!
スクワットに限らず筋トレ種目のパフォーマンスを高めたいなら、何よりもまずはテクニックやフォームをしっかりと身につけるべし。
正しいテクニックやフォームが習得出来ていないのに重い重要を上げようものなら、思ったような効果が出ないばかりか、最悪の場合、怪我をするだけという結果になってしまいます。
スクワットでより重い負荷を利用していきたいなら、太もも前面の「大腿四頭筋」ではなくてお尻の「大臀筋」をメインに使っていく「股関節スクワット」のテクニックを習得しておきましょう。
(お尻が後ろに突き出た形になる股関節スクワット)
立ち上がる動作において最も大きな力を発揮するのが、大腿部を後ろへ振る際に起こる「股関節伸展」の動作に、主力筋として関与する大臀筋。
しかし、スクワットはスクワットでも、ちょっとしたテクニックの違いで、主に使われる筋肉が、この大臀筋から大腿四頭筋へ変わってしまうなんていうことが起こり、それがスクワットで重い重量を効果的に挙上出来ない、一つのボトルネックになってしまいます。
大臀筋をしっかりと使った股関節スクワットを行っていくためにも、次のポイントを抑えながらトレーニングしていくようにしましょう。
- 真っ直ぐしゃがむのではなく、お尻を後ろに出すような感じでしゃがんでいく
- 重心は足裏の中心からカカトへ移動していくようにする
- 動作中は常に足裏全体が床についたようになる
- 上体は自然と前傾していくようにする
- 背筋はしっかりと伸ばしておくように
このポイントをしっかりと抑えながらスクワットを行っていくことで、大臀筋をメインに使ったスクワットを実現させ、より高負荷のウェイトを扱いやすくなりますよ!
▶︎バーベルスクワットフォームガイド|正しいスクワットのやり方やコツを確認して効果を引き出す!
スクワット上達のコツ2)体幹を強化する
普段レッグプレスなどのトレーニングで下半身を鍛えていたのに、スクワットをしてみたら思ったような記録が出なかったなんて場合、実は体幹の筋力が弱いままになってしまっているなんてことがあるかも。
四肢を除いた肩からお尻までの部位を体幹と呼びますが、その中でも特に、お腹周りを囲むパワーハウス(腹筋群:腹直筋、腹斜筋、腹横筋、横隔膜)と、その背面にある脊柱起立筋が弱いと、スクワット中に胴体を真っ直ぐに維持し、安定させることが上手く出来ません。
基本的にはダンベルやバーベルなどを利用した、フリーウェイトのスクワットを下半身のトレーニングの軸に据え、徐々に扱う負荷を高めていけば、体幹の筋力も十分に強化されていくことになります。
しかし、もしも今までスクワットではなく、体幹の力がほとんど関与しないレッグプレスや、その他の下半身のトレーニングを中心に行っていた場合、体幹が弱いままになっていることがあり、スクワットですぐに高負荷を利用していくのは難しかったり。
そんな時は、フリーウェイトのスクワットに臨む前に、まずは軌道が固定されて体幹が安定しやすいスミスマシンを利用したスミスマシンスクワットを行い、少しずつスクワットに必要な筋力を養ったり、デッドリフトやグッドモーニングを別途行って、スクワットに必要な体幹力を養っていくなんていうのがちょっとしたコツ。
他にも、スクワットを始める前に深く息を吸って腹部と胸部を膨らませ、腹腔内圧を高めてた状態を維持し、体幹を安定させながら行っていくなんていう方法もあります。
この場合は、一回のスクワットごとに深呼吸を繰り返して、腹圧を高めて腰を下ろしていきましょう。
スクワット上達のコツ3)背中上部の筋肉を強化する
スクワットを効果的に上達させたいなら、スクワットで基本的に鍛えられる筋肉だけでなく、背中上部の筋肉も増強しておくべき。
スクワットで高負荷を扱ってトレーニングする場合、基本的には重いバーベルを担いで行う、バーベルスクワットに取り組むことが多い。
そして、このバーベルスクワットで重いバーベルを担ぐためには、背中上部の筋肉がしっかりと鍛えられていて強化されている必要があったり。
背中上部が強化されていることで、重いバーべルを担いだ状態でも胴体が安定し、高負荷のスクワットでも難なく取り組んでいけるようになります。
この背中上部を強化するためにも、ベントオーバーローイングやシーテッドローイング、他にもラットプルダウンといったトレーニング種目にも取り組んでおきましょう。
スクワット上達のコツ4)握力の強化もしておくべし!
スクワットと握力というと、全く関係なさそうに聞こえるかもしれません。
しかし実は、高重量のフリーウェイトを利用するスクワットに関しては、握力がとても大切になってくることに。
一番分かりやすい例で言えば、ダンベルを握って行うダンベルスクワット。
スクワットの動作が問題なくても握力が弱ければ、重いダンベルを持ったり、握り続けることが出来ません。
さらに、バーベルを担ぐバーベルスクワットであっても、握力を使ってギュッとバーベルを固定しないと、腕、肩、背中上部に力が入らないなんてことに。
フリーウェイトで重い重量を追加してスクワットをするなら、上半身全体の筋肉を引き締めて緊張させておくためにもしっかりとバーを握る必要があり、この緊張状態が、スクワットをする時の体幹の安定に繋がってきます。
▶︎握力の鍛え方と強化|鍛えるべき力の出し方とトレーニング方法11選
スクワット上達のコツ5)バーの位置を変えてみる
スクワットを初めて初心者のフェーズを越えてきたなら、バーベルスクワットで担ぐバーの位置を少しずつ意図的に変えていくなんていうのも、スクワットを上達させるちょっとしたトレーニングのコツ。
初心者に多いのが、首の付け根辺から肩の位置にバーを担ぐハイバーのバーベルスクワット。
このハイバーでスクワットを行う場合、腰からバーの距離が長いことで、モーメントアーム(力の作用するラインから回転軸までの距離)が長くなり、その分、上体を支えるための体幹に掛かる力が大きくなる。
すると、特に関節や筋肉の稼働性が低い人の場合、軽めの負荷を利用している間は気付きにくいものの、大きな負荷を扱えば扱うほど、スクワットで体を下げた時にバランスを崩しやすくなり、大きな重量を扱い難くなってきます。
一方、バーを僧帽筋の真ん中辺り(肩甲骨辺り)に担いで行うローバーのスクワットでは、バーと腰の距離が短くなる、つまりモーメントアームが短くなることで、上体を支える体幹に掛かる力が比較的小さく収まり、より体幹が安定しやすくなることに。
すると、より高負荷の重量であっても、安定して効果的にトレーニングしやすくなる。
その人の生まれつき得意な体の動かし方や、関節や筋肉の柔軟性なども多分に影響してくるため、必ずしもローバーでなくてはいけないということではありませんが、スクワット初心者のフェーズが過ぎたら、自分なりにバーの位置を変えて、少しずつ最適なポジションを見つけていくようにしましょう。
スクワット上達のコツ6)ストレートバーに固執しない
バーベルを担いで行うバーベルスクワットは、筋トレの王様と評されるほど効果の高い筋トレ種目。
そして、このバーベルスクワットを行う場合、一般的にはストレートバーを利用して行うことがほとんど。
しかしだからと言って、必ずしもこの真っ直ぐなバーベルを担いでスクワットすることだけが、スクワットの力を上達させるための効果的なトレーニング方法と言うわけではないこともしばしば。
(上はキャンバードバー)
ストレートバーを利用したスクワットの場合、肩、背中上部、腰、足首の十分な可動性(動かしたい部位を動かしたい範囲で動かせること)が必要になってくるわけで、誰しもがストレートバーベルを担いだ状態で、初めから終わりまで正しくスクワットできるわけではなかったり。
そのため、ストレートバーを担いだスクワットでトレーニングするより、ダンベルを胸の前に抱きかかえるようにして行うゴブレットスクワットや、他の種類のバーベルを利用したスクワットの方が効果的なんてことも十分にあり得ます。
もしも、バーベルスクワットで伸び悩んでいるなら、バッファローバーやセーフティスクワットバー
、ジャイアントキャンバードバーなどを利用したスクワットのトレーニングにも取り組んでみましょう。
スクワット上達のコツ7)ウェイトリフティングシューズを利用してみる
筋トレの上級者がバーベルスクワットを行う際に、ウェイトプレートの上にカカトを乗せた状態でスクワットをしている姿を見たことがあるかもしれません。
実はこれ、カカトを上げることで、足首を思い切り反らなくても(柔軟でなくても)、背筋をしっかりと伸ばしながら、より深くしゃがんでいきやすくしたもの。
つまり、足関節(足首)の可動性が低くても、カカトが少し地面より高いところに位置した体勢を作ることで、より深く腰を下ろしてスクワットの効果を高めながらトレーニング出来るようになるってこと。
そこでおすすめなのが、スクワットをメインに行う筋トレ日には、ウェイトリフティング用のシューズを利用してみるというちょっとしたコツ。
ウェイトリフティングシューズは、カカト部分が少し高くなっており、もともと腰を深く下ろしたスクワット動作を効果的に出来るように作られているもの。
ウェイトリフティングシューズを着用して行えば、スクワットのフォームを改善し、スクワットトレーニングを効果的に行っていけるようになります。
ただし、ウェイトリフティングシューズは比較的高価なものが多いので、その点だけはボトルネックになるかも。
▶︎ウェイトリフティングシューズQ&A|重量挙げシューズは使い方次第で筋トレにも利用可能!?
スクワット上達のコツ8)スクワットを週2回行ってみる
スクワットを上達させるちょっとしたコツとして、スクワットのトレーニングを週に2回行ってみるというのも効果的。
週に複数回スクワットのセッションを設け、それぞれのセッションで意図的に強度を変えてトレーニングすることで、スクワットに必要な筋肉を肥大させたり、その筋肉が発揮出来る力を高めて、相乗効果的にスクワットのパフォーマンスを高めていきます。
ちなみに、スクワットのセッションを週2回設けて、筋肥大と筋力アップを狙っていくためには、次のようなトレーニングメニューを参考にしてみると良いかと思います。
- 一週目
- スクワットセッション① 筋肉の肥大を目的とする
- 65%~80%1RM(最大で8~15回繰り返せる重量)
- スクワットセッション② 超高重量を利用して筋力発揮を高める
- 85%~95%+1RM(最大で1~6回繰り返せる重量)
- スクワットセッション① 筋肉の肥大を目的とする
- 二週目
- スクワットセッション① 筋肉の肥大を目的とする
- 65%~80%1RM(最大で8~15回繰り返せる重量)
- スクワットセッション② 挙上速度を上げて筋力発揮を高める
- 40~65%1RM(最大で15回以上繰り返せる重量)
- ※通常の速度ではなく、爆発的な力で素早くスクワットを繰り返すことで動作のスピードを高め、瞬発的な力の出し方を強化し、筋力発揮を高めていく
- スクワットセッション① 筋肉の肥大を目的とする
※スクワットセッション①と②の間は、筋肉と神経系を回復させるためにも、十分な休養時間(48~72時間)を取るようにしましょう。
このように、筋肉の肥大を目的としたスクワットのトレーニングと、発揮出来る筋力を高めていくスクワットのトレーニングを一週間の中で行っていくことで、より効果的にスクワットの能力を高めていくことが出来ます。
スクワット上達のコツ9)ボトムポジションで静止してみる
スクワットを上達させるためには、腰を深く下ろした時の体勢を安定させられるようにならなくてはダメ。
そのためにも、深く腰を下ろした体勢を強化するための、効果的なトレーニングに取り組んでみましょう。
その腰を下ろした体勢を安定させるために効果的なトレーニングとは、腰を深く下ろしたスクワットのポジションで静止するという方法。
通常扱う負荷より少し軽めのバーベルを担いだら、出来る限り深く腰を下ろしていき、最大限腰が低くなった状態を3~5秒程度維持し、腰を上げて立ち上がったら、再度繰り返していきます。
この方法で、ボトムポジションの安定性が向上すれば、重いウェイトを利用しても深いスクワット動作を安定的に行っていけるようになり、スクワットをより簡単に感じるようになりますよ!
スクワット上達のコツ10)ラックの高さにも注意を払って!
バーベルスクワットを行うにあたって多くの場合、ラックに掛かったバーベルを担いでスクワットを開始し、そのバーベルをラックに戻してトレーニングを終了するはず。
このように、ラックに固定されたバーベルを担いでスクワットを行う場合、トレーニングを効果的にするためにも覚えておきたいのが、そのラックの高さ。
実は、バーベルの重量が重すぎること以外に、ラックの高さが間違っていることも、スクワットにおける怪我の原因の一つだったり。
筋肉が疲労した状態なのにも関わらず、バーベルをラックに上手く戻せないことで、思ってもいなかった部位に負担が掛かったり、バランスを崩してしまったりして、怪我に繋がってしまうことがあります。
そこで意識しておきたいのが、スクワットのトレーニング終了後、いかに簡単にバーベルをラックに戻せるか。
おすすめなのは、ラックを乳首と肩の高さの間に合わせること。もちろん人によって感じ方が違うと思うので、一つの目安として、その辺りの高さで最も自分にとって簡単にバーベルを戻せるラックの高さを見つけていきましょう。
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スクワット上達のコツ!トレーニング方法を工夫して効果を高めるためのヒントのまとめ
スクワットを上達させるためにも知っておきたい、ちょっとしたトレーニング方法やコツを紹介してきました。
スクワットは効果の高い筋トレ種目。その効果を最大限に引き出すためにも、ポイントを抑えてトレーニングに励んでいきましょう!
筋トレキャンプでした!